【出掛けたダイビング・ポイント(14) - インドネシア デラワン/サンガラキ (1)】2012/09/16 23:48

9月初旬、インドネシアのデラワン/サンガラキ地区のクルーズ・ボート、パヌニー・ヨットに乗船してきた。

カリマンタン島東部にあるデラワン島、サンガラキ島、マラトゥア島、カカバン島の四島をクルーズ・ボートで巡るもので、様子の異なる4つの島で色々なダイビングが楽しめることが特徴になる。場所はシパダンの約200Km南に位置する。

後ほど紹介するが、シパダンと同様にクルーズ・ボートまでの到達時間は結構長かった。乗船した船はタイのプーケットを拠点とするパヌニー・ヨット。ヨットとは言うが帆があるわけでは無く、普通のクルーズ・ボートである(英語のYACHTには豪華な回遊用の船という意味があるとのこと)。滞在した部屋は平置きのツィン・ベッド・ルームでかなり余裕がある。カメラ好きの人には、2段ベッドの下を机にして、カメラのセッティング等をゆっくり出来るようにした部屋もある。
http://www.panunee.com/divesite04_jap.html

今回乗船したゲストは17名、日本人9名、タイ人5名、タイ在住のアメリカ人、シンガポール滞在のマレーシア人とロシア人1名で、国際色豊かで中々楽しいクルーズであった。海の中は(2)で触れることにして今回のツアーでのトピックスを紹介したい。

     バリグパパンでの8時間待機:
 今回のルートは、羽田からシンガポール、バリグパパンを経由し、東海岸のタラカンへ到着し、ボートに乗船した。羽田を夜中1時半に出発し、タラカン着が夕方19時半という長旅。特に、国内線の日程上バリグパパンで8時間の待機は大変だった。我々年寄りにとって、バリグパパンは第二次世界大戦での激戦地だった印象が強いが、特に観光する場所も無さそうであり、偶然3月のモルディブ・クルーズで同室だったW氏と一緒になったので空港のラウンジ(7500Rp≒\900)で過ごすことにした。話をし、本を読み、パズルを解き、飲み食いで時間を潰したが8時間は長い。やることも無くなり、隣のジャカルタに帰るインドネシアの青年とインドネシアの将来を議論していた。ラウンジではアルコールの提供は無く、後で確認したら飲兵衛は2階のレストランで8時間管を巻いていたとのことだった。

     ボート乗船時に$350の支払い:
 事前に通知されていたが、乗船時に海域水域料$130,港使用料$140,ボート・サーチャージ$80と計$350の支払い。円高の恩恵はあったが、あっという間にドルが少なくなった。下船時にチップとナイトロックスの支払いが必要でギリギリだった。

     ビールの積み込みが異常に少なかった:
 どういう訳かビールの積み込み量が異常に少なく、初日で在庫切れ。酒を飲めない私を除き、みんな呆れ顔。2日目は全員休肝日。デラワン島への上陸時に買いに行くとのことだったが、イスラム教の島で量の確保は難しかったようで、3日目のBBQでも1人1本までとのことで皆大変。その後もビールの確保で苦労していた。

     不思議なロシア人:
 今回一緒になったロシア人は40歳前後の男性。以前2回ロシア人と一緒になったがいずれもカップルでこちらとの会話はなし。今回はどうかと思っていたが英語は苦手とのことで会話は最小限だったが、実に不思議なゲストであった。みんなが少しずつ聞いたことを総合すると、マクロには興味が無く、大物が見たい、特に、サンガラキでのマンタが楽しみとのこと。初日の午前中はダイビングせず。午後のバラクーダ・ポイントだけ潜っていた。3日目のマンタ・ポイントも潜らず、ディンギーでマンタ・ウォッチ。結局、5日間でダイビングは1本だけ。
 我々が潜っている間はすることも無く、飲むことだけらしく、初日に記入されたビールが9本。ビール不足の原因は彼だった? どうもスタッフがダイビングをしない彼を気の毒に思い、ビール瓶を別に確保していたようだ。BBQ時には残り少なくなったビールを巡って日本人グループとやや緊迫した場面もあった。
 クルーズ・ボートに乗ったのに1本しか潜らない。下船後はシパダンで潜る予定だと言う。皆で色々議論したが何故クルーズ・ボートに乗ったのか良く解らなかったが、ある人の意見では、唯一潜ったバラクーダ・ポイントが激流で、そのためダイビングが怖くなったのではないかとの類推だった。であれば、英語もあまり話せなかった彼が気の毒にも思えた。シパダンで楽しいダイビングが出来たかな。




【出掛けたダイビング・ポイント(14) - インドネシア デラワン/サンガラキ (2)】2012/09/19 17:14

 パヌニー・ヨットでのクルーズは、デラワン島、マラトゥア島、カカバン島、サンガラキ島の四島にあるダイビング・ポイントを巡るものであるが、今回のツアーではジョーフィッシュのハッチアウト観察のためデラワン島を拠点とするものだった。

ダイビングは4チームに分かれ、我がチームはベテラン組の5人で各島でのそれぞれ違うタイプで結構気ままに楽しむことが出来た。

     デラワン島:マクロ系-初日、3日目、4日目、5日目

 先ずは、今回の売り文句のジョーフィッシュのハッチアウトについて。3日日、4日目のナイトダイブでジョーフィッシュの様子を観察し、口の中に卵を抱え翌朝ハッチアウトしそうな固体を見つけると箸を指して各チーム数箇所の目印をつけ、翌早朝に目印を探してハッチアウトを観察する仕組みだった。こっちは1箇所でじっと待つダイビングは大の苦手で、朝4:30起きでもあったので、2日共スキップしたが、皆は5日目の朝にハッチアウトを観察できたとのことだった。タイのプロ写真家の写真を見せて貰ったが流石に綺麗な連続写真だった。
 ここでは全般にマクロ系の海だったが、ナイトダイブでのJettyはなかなか面白かった。

ウミウシやエビ・カニも多かったが、ゲジゲジみたいなFire Wormがなかなか綺麗だった。

     マラトゥア島:ワイド系-初日、2日目

 このクルーズでの最大の見所がマラトゥア島のチャネルでのバラクーダの群れになる。パヌニー・ヨットのHPでもバラクーダのトルネードを強調している。今回は午後2回、朝1回とチャレンジした。大潮後のダイビングであったためか、午後のチャネルは激流だった。要所でカレント・フックを掛けてのウォッチングになったが、さすがのバラクーダの群れも激流に向かって位置をとるため縦長になり、トルネードになる様子はない。

深さ10Mから4~50Mまでの大きな壁になったが、流れが凄いためカメラの操作もままならない。1眼レフのゲストはシャッターを切るのも大変だったとのことだった。
 一方、朝のダイビングは流れもやや弱くなり、バラクーダの群れは向きを変えながらウロウロしている。トルネードを期待して待ったが、完成はしなかった。多分、流れが弱い時にトルネードを作りそうである。


 バラクーダ以外でもサンゴが非常に綺麗なポイントがあり、透明度も良かった。

     カカバン島:マクロ系-3日目

 カカバンではパラオと並んで淡水のクラゲが見所。地図にあるように島の真ん中全体が湖で4種類のクラゲが生息している。パラオに比べると密度が低く、写真では2-3匹が写っている程度だ。基本はシュノーケリングだが、飛び込んでみたらシュノーケルの弁の不調で水が入るトラブル。シュノーケルは得意ではないので、草々にギブアップ。ダイビングも可能だが、湖までの10分程度の登り降りを自分でタンクや器材を運ぶのは不可能。今回もタイのプロ写真家だけは、スタッフが運び、なかなか印象的な写真を撮っていた。

     サンガラキ島:ワイド系-4日目

 サンガラキはマンタ・ポイントでブラック・マンタも含めてかなりの数を見ることが出来たが、クリーニング・ステーションでは遭遇できず、ほとんどが捕食中のマンタであった。15M前後の砂地で待機するのだが、現れるのはほぼ表層で、1枚ずつでどこから出てくるか予想が付かない。その都度浮いたり沈んだり、少し追ったりで結構疲れるダイビングだった。帰りのディンギーから見ていたら、近くに捕食中(?)のマンタの列に遭遇。シュノーケル不得意の私を除いた4人がシュノーケルで飛び込んでウォッチ、次々と列になって目の前を通り、ダイビングよりも良い写真が撮れたとのことだった。

 

 パヌニー・ヨットでは1日4本のダイビングとなる。ジョーフィッシュのハッチアウトの2本をスキップしても、5日間で18本のダイビングを堪能した。全般に食事は非常に美味しかったが、タイのシェフの料理でほとんどのものがすごく辛い。徐々に慣れてはきたが、毎回水を抱えての食事だった。

写真は、ワイド系あり、マクロ系ありで面白かったが、マクロ・レンズを装着してのマクロ系では、逃げ隠れの早いカニ系やうねりの強い場所でのピント合わせには凄く苦労した。また、ワイド系でもManualでチャレンジしたが、絞りのセッティングはなかなか上手く出来ない。特に、流れの速いバラクーダ・ポイントや表層・中層の予想がつきにくいマンタ・ポイントでは極めて難しかった。ビデオ・モードでは比較的綺麗に撮れたが、写真は不作。余裕の無い時はAutoで撮る方が楽かも?