【その他雑感(18)-最近考えたこと:外出自粛期間中に(1) 】2020/04/13 07:32

もともとの予定では、今週からモルディブ 北上コースに出掛ける予定であったが、当然のことながら中止で、来年の北上コースに延期した。次の予定も立てられない。最低限の買い物は、女房殿の担当なので、こちらが出来る外出は、唯一年寄りの健康維持のため許されているウォーキングのみ。時間はたっぷりあるので、最近考えたいろいろなことをまとめることにした。

【トピックス1】 オジンダイバーの夢:分身型水中ドローン・ロボット

私のダイビングの目標は、85才まで潜ること。それまでは足腰が持つよう鍛えておきたいと思っている。その後は、隠居生活と考えていたが、最近の技術の進歩で足腰が弱ってもダイビングを楽しめるのではないかと期待できそうに思う。既に、水中ドローンは色々工夫されているし、分身型ロボットも限られた範囲で実現している。5Gが展開・定着し、次の6Gの時代に更なる技術進歩で色々な課題も解決されると期待される。

A.考えた仕組みは次のようなもの。

分新型水中ドローン・ロボット

  1. 分身型水中ドローン・ロボット(以下、分身型ロボット): 送受信機能、レンズ機能、収音機能を持った分身型ロボットで、いわゆる人間型ロボットでも魚型ロボットでも水中を走行できれば良い。レンズと収音機能で得られた動画、静止画は5G技術を利用し、ダイビンク・ボート上の中継器を通してオーナーが待つリゾート・ホテルあるいはクルーズ・ボートにドローン機能で送信され、オーナーからのコントロール情報で、移動や映像の向きあるいはズーム・ワイドの操作が行なわれる。分身型ロボットは常に位置情報を確認し、自分自身のポジションを安定させる。オーナーは、例えばゴーグル型ディスプレーを通して、リラックスしたソファーで、コーヒーを飲みながらでも、あたかも自分で潜っているような体感を得ることが出来る。メイン・コントローラに、アダプターを付ければ、複数人数での体感も可能になる。

  2. メイン・コントローラ、サブ・コントローラ: 分身ロボットの走行は,オーナーが、ロボットから送られた映像をリアルタイムで確認し、空中ドローンと同様に、コントローラーで指示する。さらに、非常用のサブ・コントローラをガイドまたはバディが保持し、メイン・コントローラからシグナルが途絶えた時には、自動的に設定した距離(例えば5m横)を保つよう切り替わる。従って、ケーブの中や悪天候等による電波障害時には、自動的にサブ・コントローラの制御下での移動になり、映像情報はビデオ映像として確保される。また、分身型ロボットは、サブ・コントローラより設定距離より前には出ないよう、サブ・コントローラより深くには行けないよう制御され、チーム・ダイビングやバディ・ダイビングの原則を逸脱するようなオーナーの指示は受け付けないことになる。

  3. 分身型ロボットの活動範囲: これまでのダイビングの経験から、ホテルやクルーズ・ボートのメイン・コントローラから中継器までの距離は最高10 Km程度離れる可能性があるので、許容限界は 15 Kmと考える。中継器から分身型ロボットまでの距離は、ドリフト・ダイビングを考えると 1.01.5 Km必要と考える。技術的には良く解らないが、この範囲であれば、Local 5Gの利用で実現できるのではないかと期待する。

     

    B.分身型ロボットの利点

    1) このような機能が実現すると、体力のないシニアには大変有難い。先ず、タンクを背負ってのダイビングではないので、エアー切れの心配は要らない。バッテリーの容量を90分程度にすれば十分と思う。分身型ロボットのパワーはかなり強いものになると期待出来るので、シニア・ダイバーには危険と思われるような流れが強いポイントや深い場所等でも潜ることが期待できる。当然、オーナーはダイビングのCカードを持つ必要はないので、誰でも体感できることになる。当然、重い器材を持っていく必要もなくなる。分身型ロボットの重量をどの程度軽くできるか分からないが、軽い材料を使用すればそれほど重くはならないと期待する。

    2) 分身型ロボツトの映像は、シニアの眼とは比べ物にならないような精度・明るさが期待出来る。これまでのダイビングよりもはるかに綺麗に見ることが可能で、ズームもワイドもコントローラーで簡単に出来るはずである。写真を撮る時もボタンを押すだけで見たままを撮れる。また、暗い場所でのライトの点滅も自動的およびメイン・コントローラでセットできる。

    3) 分新型ロボットは空気を吸うことは無いので、空気を吐き出す時の雑音はしない。呼吸方法の上手い人と比べても、よりはっきりと水中の音を聞くことが出来るはずである。イルカの鳴き声や大きな群れが動く音も楽しめる。水中の楽しみが1つ増えることになる。

    4) サブ・コントローラに水中会話の機能を付け加えてバディに持ってもらえば、バディとの会話も可能になる。探す場所を指示したり、魚の名前を確認したり、今まで以上に楽しいバディ・ダイブが出来そうである。

     

    C.分身型ロボットの課題: 

    1) 水中での5G機能の限界は良く解らない。空気中と違って、水中での通信はノイズが強い可能性がありそう。水中での5Gのテストを実施し、技術的な改良をするような動機を有する企業・個人がいるかどうか?

2) 価格設定も簡単ではなさそう。需要がどの程度あるのか?私のようなシニア・ダイバーだけでは需要は小さすぎる。リゾート・ホテルやダイブ・ショップが、ノン・ダイバー用のサービスとしてプロモートし、利用客を増大させる見込みが出来れば、一定の需要を期待できる。特に、これまではダイバーを集めることが難しい寒冷地や過酷な場所での体験をプロモートするのも需要喚起に繋がる。また、産業用分身型ロボットの検討をどこかで行っている可能性があると思う。検査目的や探査目的への利用を推進出来れば、基本機能は共通と思うので、ついでにファン・ダイビングの利用にも拡張して貰えば、十分実現可能になるのではと思う。私が85才になるまでの8年間でどこかで実現されることを期待して待つことにする。 


【その他雑感(18)-最近考えたこと:外出自粛期間中に(2) 】2020/04/26 18:01

【その他雑感(18)-最近考えたこと:外出自粛期間中に(2) 】 

<< トヨタが変わる! トヨタの営業が変わる!! >>

 トヨタ自動車(以下、トヨタ)が大きく変わろうとしている。昨年12月、豊田章男社長は、企業情報のトップ・メッセージで 「モビリティカンパニーへのフルモデルチェンジに向けて」と企業の方向を発表している。

項目としては、次の3項目。

  1. CASE*の時代に合わせたビジネスモデルの転換 

  2. 「人」が中心の未来に向けて

  3. 「人づくり」にとことんこだわる

    詳細は https://global.toyota/jp/company/mess ages-from-executives/

      *CASEConnected, Autonomous/Automated, Shared, Electric  (コネクテッド、自動運転、シェアリング、電気自動車)

    そこで、モビィリティ・カンパニーのビジネスモデルの構想(例)を全く勝手に考えてみた。

    (注: 外出自粛要請で時間もあるため、長文になりました。細かい部分は斜め読みしてください。)

     

ビジネス・モデル
  1.  トヨタのビジネス・モデルを想像してみると図のようになる。従来は、経営方針がトップ・ダウンで展開され、経営方針の更新は、年単位あるいは四半期単位に実施されており、お客様からのカスタマイズの要望は、ディーラー・オプションやカスタム・ショップ等の下流工程で実施されていたと推測する。

    一方、新規モデルでは、大きなテーマとして、次の要素が必要になると考えられる。

  1. 1)従来モデルと新規モデルが共存する。従来モデルは売上や利益確保のベースとして、徹底して販売効率を向上する必要がある。新規モデルでは、お客様と新しいモビリティ・スタイルを相談し、その中でお客様の要望を確認し、解決策を合意しながら設計・提案・実現する販売活動が必要になる。

  2. 2)新規モデルの利益率は、従来モデルに比べるとかなり低くなり、且つ試行錯誤の傾向になる。従来モデルで充分な利益を確保し、新規モデルの低利益率をカバーする必要がある。従来モデルのみの継続では、企業規模を縮小することになる。従来モデルによる利益確保が可能な間に、新規モデルを定着させ,増強させることが必要になる。

  3. 3)新規モデルでは、系列・関連企業や協力企業との連携が不可欠になる。モビィリティ・スタイルによっては、従来とは異なる企業との連携も必要になる可能性が高く、アライアンス(企業連携)戦略の立案・推進する専門組織を増強する必要性が生ずる。

  4. 4)このようなモデルでは、お客様の要望・課題を的確に把握・解決し、市場の変化を迅速に経営方針に反映させることが不可欠であり、双方向の方針展開の仕組みの構築が必要になる。

     

     このようなモデルがどのように展開されるのか、勝手なイメージを想定して、具体的に考えてみたい。

     

    A) 「コネクティッド・シティ」の構成要素となるような新しいモビリティ・スタイルの例を想像してみた。 

    1) モビィリティ・オフィス

    マイクル・コネリー(米国の推理小説家)の小説に「リンカーン弁護士」が主人公のものがある。この弁護士は、事務所を設けず、豪華なリンカーンをオフィスにして、専属のドライバーと契約し、顧客との打合せ、現場調査や裁判所等、どこでも出かけて、問題を解決する。
     新しいモビリティ・オフィスではCASEを活用し、より快適で先進的なオフィスを実現できる。WIFI接続でリアルタイム情報の把握・共有が出来る。自動運転が可能になれば、ドライバーの代わりに、アシスタントを同乗させられる。サブスクリプションにより、車やオフィス機器を妥当な経費として利用できる。中心地のオフィスの賃料と比べれば充分採算が取れると思われる。更に、EVなので、車内のレイアウトを目的に合わせて、最適に設計できる。新型ウィルスの対応で定着しつつあるテレワークがより快適な環境で実現できることになる。動くテレワーク・オフィスは、弁護士だけではなく、色々のコンサルタントやフリーランサー、特殊技能を持つ技師、修理士や医師等の利用が考えられる。それぞれの用途に合わせてレイアウトや備品設置が設計可能でなり、幅広く拡張可能と思われる。また、延長線上に、モビリティ・ハウス(キャンピング・カー)への切替も考えられる。

    2) モビィリティ・ショップ

      新型ウィルスのための外出自粛要請でフード・トラックや移動スーパーが注目を受けており、今後更に拡大していく可能性が高い。モビリティ・ショツプでは、EVをベースにフロアや筐体の自由度は高められ、他のCASEの機能を活用し、ショールーム、実演販売や新しいビジネス等にも展開することが可能になる。例えば、モビリティ占いを考えてみる。移動車のなかに幾つかの気密性の高い占いブースを準備し、見込み客の多そうなオフィス街に移動する。占いブースでは、WIFIを利用して、好みの占い師を予約し、占いを依頼する。5Gになれば時間差もないので、あたかも目の前で好みの占い師と相談しているような臨場感が得られる。複数の人気のある占い師と契約し、SNSで当日の移動場所を提示し、ブースと占い師を予約する。占い師はWIFI接続可能な場所であれば、全国(海外でも?)どこからでも対応できる。
     ファッション系やスポーツ・グッズ系等でも対面販売が望ましいケースで、わざわざ店を構えずに、見込み客を期待できる候補地を順に回ることができる。5Gを利用して、お客様の採寸をしながら映像合成で試着をすることやスポーツ・グッズの効果を測定するという商談も可能になる。また新しいサービスとして、何人かのファッション・アドバイザーと契約し、ウェア、アクセサリー、宝飾品を含めたトータル・コーディネーションを合成映像で確認しながら最適な組み合わせを選択できる。スポーツ・グッズの分野でも、スポーツ・トレーナーや栄養士等とオンラインで、身体測定の結果を共有しながら、お客様の要望を反映したグッズの選択ができる。

    3) シニア・モビィリティ

     シニアの免許返却が話題になっている。自動ブレーキや自動運転のりようで、シニア・ドライバーも存続すると思うが、市街地や過疎地でのシニア用のコミュニティ・バスの拡充が望まれる。地元のコミュニティ・グループと連携し、シニア用各施設や個人宅およびスーパー、医療施設、図書館等との移動サービスを提供するシニア・モビリティを考えてみる。CASEを活用して、より効果的に必要箇所を巡回するコミュニティ・バスを展開できると思うが、自動運転が定着した段階では、更に無人化し、センター・コントロールの仕組みに展開できる。コミュニティ・バスでは、ロボットが運転管理や乗降案内を行う。更に、支援ロボットを装備し、乗客の荷物運びを支援し、ネットで注文した荷物や薬の受取りも支援できるようにする。このようにCASEを活用して、現在のコミュニティ・バスを更に要望に即したシニア・モビリティへ拡充することが可能になる。

    4) モビィリティ・デリバリー

     現在の宅配サービスは、今回の新型ウィルス対策の1つの受け皿として需要拡大が見込まれているが、合わせて各種の課題が生じている。CASEを活用して、これらの課題の解決策をモビリティ・デリバリーとして提供できると考える。再配達が最大の課題と理解しているが、WIFIやスマホを活用し、不在状況や希望時間をより細目に把握し、AIを利用してリアルタイムに最適なルートを選択していくことで、再配達を回避し、配達効率を上げることができる。今後、ロボットの活用も検討対象になる。

  5. 5)乗用車モビリティ

     従来モデルの延長線になる乗用車モビリティでも、CASEの本格的利用で、変化の激しいお客様の要望を個別に対応する自由度の高いモビリティ・スタイルを提供できると思われる。

     

    B)販売活動

     新規モデルでは、販売活動の変革が必要になる。「人」即ちお客様と営業職が合意しながらすすめていくためには、次の手順による活動が不可欠になる。モビリティ・オフィスを例にして確認してみる。

  1. 1)興味の喚起: 新規モデルでは、見込み客の興味の喚起が必要になる。見込み客候補として、自前のオフィスを検討しているようなコンサルタント、特殊技能者、デザイナー等々を調査する。個々に調査することは非効率なので、例えばセミナー開催のパンフレットを準備し、ベンチャー企業やスタートアップ企業を支援するチャネル等を通して案内することが考えられる。 パンフレットでは、「希望に合うようなオフィスが探せない、賃料が高すぎる、オフィスからお客様へまで遠い等々の問題でお困りではありませんか?当社では、皆さんが課題に対応する解決策を提供可能です。ご興味はありませんか?」を伝え、セミナーで具体的な解決事例と効果(採算を含めて)を紹介する。

    2)要望の確認: 興味の確認ができたら、お客様の課題を解決するための要望や条件を具体的に確認する。同時に、これらの要望や条件が満足出来れば購入する意思も確認する。

    3)解決イメージの提示・合意: 次に、解決策のイメージを準備し、お客様と摺り合わせて、合意を得る。この段階では、解決策を良く理解している専門営業との協同作業になる。専門営業は、必要に応じて、複数人の参画も考えられる(例えば、レイアウトや備品等の専門と駐車条件や法的条件等の専門)。大まかな費用の提示とお客様の予算確保の可能性も確認する。

    4)解決策の設計・提案: お客様の購入意欲が確認できたら、詳細な提案活動を開始する。提案活動では、専門営業が主導することが望ましい。解決策の提供に系列・関連企業や協力企業の参画が必要な場合は、提案活動からの参加を依頼する。提案内容には、解決策の内容、価格、日程等に加えて、お客様が準備すべき作業・日程も含まれる。

    5).契約・納入: 契約が完了したら、解決策を構築し、納入する。工期が複雑で長期になる場合は、デリバリー・リーダーを任命し、お客様のプロジェクト・リーダーと連携する。

     

    C) 新規モデルでの営業体制に対して考慮すべきと考える項目

    1) チーム・オペレーション: 新規モデルでは、営業部門に多くの新しい役割が必要になる。トヨタは、昨年4月に子会社であった東京トヨペットなどの販売会社をトヨタ本体に統合した。まだ1年経過なので、各子会社の体制の本格的統合は途上であり、今後モビリティ・カンパニーとしての新しい営業体制に整理統合されるものと推測する。新型ウィルス対応で第一線の活動は減少していると思われるので、新しい体制および新しい仕組みに切り替える絶好のチャンスになる。
     先ず、マーケティング部門を拡充し、各部門および各国の計画を統合してトヨタ・グループとしての経営計画を策定すべきである。次に、アライアンス管理部門を増強し、系列・関連会社との連携、新規モデルの共有を図り、協力会社とのアライアンスの構築、維持、強化を管理する。従来、下流工程で車の改造をサポートしていたカスタマ・ショップ等は上流工程に参画を依頼する可能性が高いし、それぞれのモビリティ・スタイルに必要な備品の装備では、新たな協業の形成が必要になると思われる。
     営業体制は幾つかの役割に分かれ、必要に応じてダイナミックにチームを編成し、共同して活動する必要がある。

    2) 意識改革: 新しいビジネス・モデルの検討および企業の仕組みや営業体制の構築は、限られた上層部と専門スタッフチームで推進可能であるが、運用実施は営業部門全員が納得して実施する必要がある。「人づくり」をベースにモビリティ・カンパニーをつくり上げるためには、全員の意識改革が不可欠になる。私の経験では、営業部門や開発部門の意識改革は容易ではない。一つは、ベテランになればなるほど経験に基づく独自の仕事のやり方を有しており、それに固執する傾向がある。また、かなり厳しい業務目標があるため、特に、中間管理職は強く意識していると推察できる。目標達成に専念していると改革の実施度合いよりも業務目標達成を重視し、保守的になる傾向がある。意識改革の徹底は第一線を中心にしがちであるが、上層部から意識改革を徹底・確認し、上層部から中間管理職の意識改革を主導する。その上で、第一線の意識改革を展開する。第一線だけの徹底になると、実施段階では常に上司の顔色を見て、うわべの実施になることも考えられ、展開に非常に長い時間を要することになりかねない。

     

     私が所属していたIT業界では、同様の営業改革が1990年代後半から始まり、21世紀になってようやく定着したように感じている。世界最優良企業の一つであるトヨタ自動車でのモバイル・カンパニーへの変革がどのように展開されるか、非常に興味がある。日本経済の発展のためにも効果的に推進し、世界の自動車業界を主導すると期待している。