【気になる水中の生き物(1)-群れ その2 】2011/02/18 11:12

 群れを眺めることは、彼らの生活観を見ているようで楽しい。のんびりしている時は実に綺麗に見える。一寸した刺激で群れの形が変わり、群れが離れたり集まったりして変化を楽しめる。この群れは、ラヤンラヤンで見たユメイロモドキの群れで壁のようになっていた。ワイドレンズが欲しいと思ったきっかけ。

ユメイロモドキ

ギンガメアジ1

ギンガメアジは群れの代表。上の写真はラヤンラヤンでの群れで、好きな写真の一つ。

下の写真は、粟国島のギンガメアジ。待機中に大きな群れに囲まれた時のもの。遅れまいとしているのか、目付きが怖いように感じた。

ギンガメアジ2

ムレハタダイの大きな群れに会うこともあるが非常に綺麗で、群れの中にいると幸せな気持ちになるのは不思議な感覚。

ムレハタダイ

一度安全停止中にカスミチョウチョウウオの群れに囲まれた時は、凄くいい気分になり浮上のサインが出てもみんな浮上せず、数分楽しんだことがある。

モルディブは群れを見るのに最高のエリアでほぼ毎年出掛けている。今回は、パウダーブルー・サージョンフィッシュの群れを紹介する。浅場で捕食しているのを見かけるが、この時はガイド・グループがシュノーケルで群れを探し、見つかると全員でドボン。実に楽なダイビングだった。

パウダーブルー・サージョンフィッシュ

カンムリブダイの群れはシパダンの定番。夜の寝床から、早朝に全員集まって食事に出掛ける。

カンムリブダイ

まさに出勤時のラッシュアワーのイメージ。黒い川が流れているように見える。最近はあまり見られなくなったと聞くが、凄い迫力で圧倒される。

ロウニンアジの群れも時々見掛ける。まさに皆で物色しているようで見ていても動きが面白い。

ローニンアジ

最後は、一度紹介したが、モルディブのバー環礁でのマンタ群の捕食。いま思い出しても、印象的なダイビングだった。

捕食中のマンタ

3月にまた群れを求めて、モルディブに出掛ける。今回は初の赤道コースでいまからワクワクしている。

 




【気になる水中の生き物(1)-群れ その1 】2011/02/11 09:51

 潜っていて一番楽しいのは、魚の群れを見ること。ギンガメアジやバラクーダの群れは当然として、小さなキンメモドキ

キンメダイ

やスカシテンジクダイの群れも動きを眺めているだけで楽しい。魚は何故群れを作るのか? 本を読むと弱い魚が保身のため群れを作り、幻影効果に大きな魚に見せるとある。我々が見かける群れはそれほど緊張感が無い時は比較的ばらついてのんびりしている。緊迫した時はぐしゃりと固まり、全ての魚が群れの内側に入ろうとして、群れ全体も激しく移動する。要は、外側の魚を犠牲にして、自分は生き残る作戦のようである。

スズメダイ

もう一つの理由は、捕食のためと思う。 このスズメダイの群れは、最初みんなで行ったり来たり激しく動いていたが、良い捕食の場が見つかったようで、しばらく中層に漂って捕食していた。コーナーと呼ばれるドロップオフの角地に強い流れがぶつかる時はバラクーダやロウニンアジ等の大型から中型のの魚が群れを作り、捕食をする。こんな時は、必死に岩場に掴まって群れを眺める。サメ等の大型魚もウロウロ通り過ぎることもあり、全く飽きない。こっちは必死で流れに耐えているのに、魚は平気で漂っている。こんな時は、益々彼らの世界にお邪魔している感じが強くなる。同じポイントでも流れが無いと魚群はバラバラで迫力も無く、がっかりした気分になる。

次の理由は産卵。最近イレズミフエダイの産卵が話題になっている。いつもは深海にいるが、ある時期の新月の日に産卵のため万の単位で集まってくる。まだ行ったことはないがパラオのペリリュー島で2~3月新月に何万匹ものイレズミフエダイが集まるようで凄い迫力のようである。要は、流れのある場所で産卵し、他の魚に少々食べられても子孫を残していく作戦とのことである。

サザナミハギ産卵

写真は、サザナミハギの産卵。表層の白い部分が卵。出来るだけ遠くまで流れることを考えて、浅い場所で産卵する。

その他、マンタは身体に付いている寄生虫をクリーニングして貰うために、掃除を担当する小魚が待機するクリーニング・ステーションに集まる。多いときは、50~100枚が集まることもあるらしい。私が見たのは40枚が最高。ガラパゴスで見たハンマーヘッドの群れもクリーニングのためだった。

NHKの番組で、メキシコでムンクイトマキエイが数千匹集まっている光景を紹介していたが、カップルの相手を見つけるために集まった可能性があるとのことであった。 群れの原因も色々あるようである。