【その他雑感(23)-巣籠中に最近考えたこと(1):新型コロナ対策は無症状感染者に焦点をあてるべき】 ― 2020/12/22 07:57
最近は、新型コロナ感染者の増加でテレビも新聞も病院での疲弊と自粛要請ばかりが報道されている。しかし、今は無症状感染者への対策を徹底すべきではないかと考える。ところが、政府も分科会も無症状感染者にはほとんど言及していない。夏の初めころに分科会の尾身会長が無症状感染者への対策を説明したことがあったが、その時以降は触れていないように思える。どこからかプレッシャーが掛ったのではとも勘繰りかねない。何らかの方法で無症状感染者を対象に検査数を増やせば、ただでさえ関心度のの高い感染者数のグラフが大幅に上昇することを危惧したのではないかと思える。しかし、今はそれでも無症状感染者を対象にした検査で感染者を確認し、隔離する仕組みが必要と考える。今週韓国では、無症状感染者の把握が極めて重要との判断で、例えばソウル市では、全市民を対象にして、56ヶ所に無料のPCR検査場を設置して誰でも受けられる体制を開始している。日本とは大違いである。
無症状感染者に対する理解
無症状感染者について確認する。テレビや新聞での有識者の意見から得た理解は次の通りになる。
無症状感染者は感染後2日目には他の人に感染させ得る。
無症状は5~10日程で発熱等々の症状が現れる。
その5~10日間は自覚が無いまま従来通りの活動になり、他の人に感染させてしまう可能性がある。
無症状感染者の約80%は、自己免疫力で回復し、陽性では無くなる。
この80%の人は、全く気付かないまま他の人を感染させていたかもしれないのに、本人は自覚も予想もしていない。
通常、新型コロナの感染者は、症状ありの人から感染する割合はかなり低く、大半は無症状感染者から感染すると考える方が自然である。電車で咳をした人がいると席を移動する人が多いが、友達や知人が無症状感染者かも知れないと危惧する人は少ないと思われる。新聞・テレビで3蜜回避や外出の自粛を要請されても、友達との会食や集まりには参加する人も多い。症状のある人は参加を遠慮するはずであり、参加者は皆安全と思いがちになる。まさか、本人も自覚していない無症状感染者が一緒に参加しているとは予想していないだろうが、実際にはある程度の割合で無症状感染者が参加していることも考えられる。
では、現在無症状感染者は何人くらいいるのか? 本来、分科会が主導し、専門家がその数字を推測して発表すべきと思うのだが、そのようなレポートは見たことがない。例えば、東京都の1日の直近の感染者数は平均7~800人だが、80%の無症状感染者は自助回復すると考えれば、少なくとも4~5倍の3000~4000人とも想定できる。厚生省は東京都で今月17~25日の間で3000人の抗体検査を実施中で、来年1月に報告される。対象数が少なすぎるように思うが、陽性率が報告されれば、無症状感染者が自助免疫で回復し抗体を有している人数の推定も可能になると思われる。ソウル市と同様の徹底的検査を実施すれば、東京都の感染者数は急増し、数千人になる可能性があるが、無症状感染者を徹底的に把握して、対応することで迅速な収束が可能になるはずである。
無症状感染者に対するPCR検査
ソウル市と同様の検査場の設置までは困難と思われるので、日本では、保健所でのPCR検査に加えて、民間のPCR検査、簡易PCR検査、抗原検査を活用すべきと思うのだが、最近の報道では、民間の検査は精度が低いので信用できないとの説明で、奨励しているとはとても思えない。現在のPCR検査体制と民間でのPCR検査等の体制を連動させた仕組みの構築が望まれる。例えば、民間の検査体制で陽性と診断された場合は保健所に連絡され、正規のPCR検査に連携されるようにする。この場合は民間での検査費用も国への請求となる。この仕組みは制度化され、民間検査組織も検査対象者も同意の上での実施にする。仮に制度が低くても、無症状感染者の確認には有効になるはずである。
保健所では、PCR検査のトリアージュを設定し、陽性の場合は、そのガイドに基づき対象者の症状・体温に加えて血中酸素濃度も計測し、年齢・持病の確認の上、重症用病院、一般の陽性感染者用病院およびホテル等の隔離施設への振り分けを判断する。自治体は、無症状感染者の大幅な増加を想定して、隔離のための十分な施設を確保する必要がある。無症状感染者を含めた真の感染者の推定数を基にピーク時に必要となる病床数、確保すべき医師・看護師および支援スタッフ人数の確保および自治体間の支援体制の構築も進める必要がある。
住民に対する自粛要請
テレビも新聞も年末年始の外出自粛要請を必死に展開している。都知事や西村大臣、尾身会長も会見での呼び掛けを展開している。しかし、精神論的で漠然としたもので、なんとなく他人事に思えてくる。
上述したような無症状感染者の実情を解説し、「あなたが無症状感染者かも知れません。もし、そうなら会食に参加しますか?」 「お正月に皆が集まったら、ひょっとしたらご自身やお友達が無症状感染者かもしれませんね。どんな対策を取りますか?」等々の問いかけを行い、その上で出来るだけ外出自粛を検討するよう要請し、他人事ではないことを強調すべきと考える
日本でも来年3月頃からワクチン投与が始まりそうだが、オリンピックを無事開催するためには、春先までには無症状感染者を含めた真の感染者数を収束させる見通しが欲しいところである。
【その他雑感(22)-現在、巣籠り中-原因不明の肺炎のため 】 ― 2020/12/19 12:06
9月中旬に肺炎に罹り、6週間入院。ステロイド治療のため、退院後も人との接触回避の指示で来年2月頃まで巣籠りの継続になる。
9月中旬に、初めての奄美大島で北部+南部のダイビングに出掛けたが、北部でのダイビング3日目終了時にいつもより疲れを感じ、体温も上昇したため4日目を休養し、様子見。が、体温も下がらないため、ダイビングを中止して帰宅。
掛かり付け医に相談し、PCR検査を実施。結果は陰性でホットしたが、熱は下がらないため、再度掛かり付け医に相談。撮ったレントゲン写真を見て、医師の顔色が変わった。肺が真っ白。血中酸素濃度が91%(正常値は99~97%)、90以下だと人工呼吸器の利用も検討するらしい。医師は総合病院と連絡し、即入院出来るよう要請。入院前にPCR検査と抗原検査を実施し、新型コロナは陰性との判断で病室へ。担当の医師は直ちに治療が必要と判断してステロイドと抗生物質の24時間点滴を開始。
ステロイドによる器質化肺炎の治療・
医師の判断は、突発性器質化肺炎の可能性大とのこと。肺の中の小分けされた細胞(肺胞)に異常を感知して免疫機能が攻撃。が、治まらず範囲を広げるうちに暴走気味に無差別攻撃となり、肺全体に炎症が生じた結果と判断。免疫機能の活動を一時的に停止するために、ステロイドの点滴による治療となった。細菌性の可能性も残るので、合わせて抗生物質の点滴も併用。2週間程度で状況も良くなり、細菌性の可能性もなさそうなので、抗生物質の点滴は終了し、2週間でステロイドも服薬に切替えて治療継続。
ステロイドによる治療
ステロイドの投薬は免疫力が抑えられるので外部との接触回避のために部屋から出ることは禁止され隔離状態。ステロイド治療は、急に量を減らすと色々の問題が生ずるとのことで、計画的に少しずつ減らすことになる。最初の点滴は40mg/日、当初は2週間ごとに5mgずつ減量。6週間で20mgになった時点で退院が許可された。
隔離入院中の生活
入院期間中で出来ることは、テレビを見る、本を読む、パソコンでインターネットを検索する、軽いストレッチをする、鉛筆パズルをすることぐらい。朝昼夕の食事が待ち遠しかったのは当然だが、1日3回の検温・採血も歓迎するイベントだった。今回、最初から入院は長くなるとのことだったので、パソコン、読んでなかった本、いつも旅行に持っていく25x25の数独ページを全部(20枚くらい)持参。入院と同時にレンタルWiFiを注文。部屋は隔離のために最初からトイレや風呂つきの個室が手配されており、室内で簡単なストレッチも出来る余裕があった。でも、本はそれほど長くは読めない、テレビ番組は面白いものが少ない(部屋のTVではBSが見えなかった)ということで、時間つぶしは鉛筆パズルが一番役に立った。隔離された生活では、買い物や本屋巡りが出来ないため、日頃から活用していたアマゾンでの注文も必要で、各種の検索と合わせてインターネットは必須になる。この範囲であれば、注文した5GB/日のWiFiサーバーで充分だが、映画を見るには不十分で、大きいサーバーの選択が必要になる。
入院中も女房殿にもの凄く世話になった。1日おきくらいに着替えや新聞、届いた本、果物等々を届けて貰った。病院では新型コロナの対応で面会者は病室に入れないので、顔を合わせることも無く、電話でのやりとりだけ。女房もあちこち病気持ちなのだが、大いに世話になった。自宅での隔離生活
10月末に、6週間の入院を完了して帰宅。この時点でステロイドの量は20mg/日。現在、6週間経過して、7.5mg/日まで減ったが、まだ人との接触は許されていない。今の計画では、来年2月末でゼロになる予定で、それまでは隔離生活になるが、唯一他人とは接触しないウォーキングは許可されているので、毎日1~1.5時間楽しんで速足で歩いている。以前のウォーキングでは、途中本屋巡りやコーヒー・ブレークを楽しみ、気に入った店で昼食をとりながらの2~3時間であったが、現在はただひたすら歩くのみ。3km四方内なので景色の変化は少ない。楽しみは、幼稚園・保育園の子供を遠目に眺めることくらい。子供たちは元気だ。
体重が落ちた
入院前の体重は67.7kg、入院後10日後、65.8kg、20日後には最低の63.1kg。徐々に戻したが、退院直後で64.1kg。ジム通いや間食を制限しても66kg台に落とせなかったのに、炎症とステロイド服用で3kg以上の減量。贅肉や脂肪を消化してくれたら有難いのだが、基礎代謝も3%減少なので、筋肉も少し消化したようだ。毎日1時間のウォーキングでは筋肉増強には物足らないので、筋トレをすべきなのだが、さぼり屋としてはジムで刺激を受けないと難しい。本格的な筋トレは来年春からに。現在は65kg台を維持することが目標。
世の中は、新型コロナの感染数増大でこれまで以上の自粛が要請されている。こちらの巣籠は2月末までの予想なので、そのころまでに新型コロナが収まって欲しいのだが。
今回の突発性器質化肺炎は、原因が解らないとのことで、回復後も再発を気にする必要がありそう。果たしてダイビングが影響したのかどうかの確認が今後の最大のテーマになる。
【その他雑感(21)-最近考えたこと(5):外出自粛解除後もほぼ自粛している中で 】 ― 2020/07/16 13:42
<<新型コロナの感染者数に対する報道は正しいか??>>
このところの東京中心の新型コロナ感染者の状況に緊迫した報道がされているが、感染者数のみに焦点が当たっており、本質の指摘がされていないのではと強く感ずる。
A:現状の確認
最近の傾向を週次(日次はあまり意味がないので)確認すると次のようになる。
週(月-日) |
6/1-6/7 |
6/8-6/14 |
6/15-6/21 |
6/22-6/28 |
6/29-7/5 |
7/6-7/12 |
|
4/1-4/30 |
5/1-5/31 |
PCR検査数 |
10,130 |
11,573 |
11,588 |
12,575 |
15,263 |
15,519 |
|
8.960 |
25,412 |
PCR感染者数 |
147 |
161 |
239 |
331 |
651 |
1,162 |
|
3.750 |
960 |
陽性率 |
1.5% |
1.4% |
2.1% |
2.6% |
4.2% |
7.5% |
|
41.9% |
3.8% |
(出典:新型コロナウイルス国内感染の状況-東洋経済オンラインより加工)
この表をどのように理解すべきか? 確かに、6月に入って感染者は増加傾向にあり、陽性率も上昇している。だから2次感染の恐れがある、対策を検討すべきではないかと大騒ぎになっている。この理解は正しいのだろうか? 先ず、この結果はそれぞれの期間のPCR検査の範囲に基づいたものであることを確認すべきである。表の右の4月、5月の状況を確認する。4月は感染者が増大し、医療崩壊の恐れがあるため、徹底して重症の可能性の高い人に焦点を充ててPCR検査を実施していた。保健所で要請者から徹底して聞き取りを行い、陽性の可能性の高い人に絞って検査を実施していた。その判断が適切あったことから、高い陽性率を維持することが出来ていた。5月は、聞き取りの基準を拡大し、かかりつけ医師からの提言も加味してPCR検査の幅を拡大してPCR検査を実施し、入院が必要な感染者を低く保つことが出来た。6月からは、PCRセンターや医療機関でのPCR検査も加えて検査能力を倍増して実施してきたが、7月から感染者も増加している。6月後半からいわゆる夜の街等に焦点があたり、PCR検査の範囲を新宿区等に振り向けることで、陽性率も増加傾向になっている。全国レベルでも下図のように感染者の増加とPCR検査人数の増加は強い関連があると思われる。要は、感染者が増加したのではなく、検査体制の拡充に伴い無症状感染者を含めた真の感染者をより多く確認できるようになったとも解釈できる。無症状感染者を含めた真の感染者が増加しているのか、減少しているのか明確ではない。検査体制の拡充でより多くの感染者を確認できるようになったとも解釈できる。
都知事も7/15に警戒レベルを最高位に引き上げて対応策やPCR検査を10,000件に拡大すると宣言した。仮に陽性率5%を維持して、陽性者500人/日を確認できたとすると上述の1.1~2.3万人を確認するために22~46日掛かることになる。今後は、これまでの検査体制の拡充だけではなく、新規の対応策に変革すべきであり、具体策について考えてみた。
B:今後のあるべき新型コロナ対応策 <無症状感染者の確認を焦点とする>
これまでは、無症状感染者を戦略的に確認することは実施されていない。が、5月で重症感染者、軽症感染者の多くは確認されて病院等で隔離されており、6月以降の多くの新型コロナ感染者は無症状感染者から感染したと考えるべきである。無症状感染者は4日程度で症状が出るかあるいは回復してしまうと言われている。現在では、無症状感染者も感染能力があると確認されており、4日間+症状が出てPCR検査を受けるまでの日数(数日)の間は、自由に行動することになり、知らない間に密な状況下で他人に感染させている可能性がある。夜の街、ライブハウス、カラオバー、観劇シアター等々での感染者発生は大半が無症状感染者を介しての感染であると考えられる。
では、どのようにして無症状感染者を確認するのか? 日本の無症状感染者はどの程度の人数なのか?
先日発表された新型コロナ新分科会の対応では、感染者を有症状感染者、分野を特定した無症状感染者、不特定無症状感染者の3グループに分けて対策を検討するとしている。残念ながら、TVや新聞の報道ではこの発表に対する反応は極めて低い。日本がこれから実施すべきことは上記3グループの対応策の検討になるべきである。
先ず、日本での無症状感染者はどの程度なのか? 国として推測・予想する必要がある。先週西村大臣が、日本全国で実施している全てのPCR検査、抗体検査、抗原検査の情報提供を依頼した(遅いけど)。これらのデータを統計的に分析すれば、大まかな推定値を策定できるのではと思う。例えば、6月初旬に実施した幾つかの抗体検査から、東京都とソフトバンクでの結果から考えてみる。東京都では無作為の1971人を対象にして2人(0.1%)の抗体陽性、ソフトバンクでは系列社員38,216人を対象にして86人(0.23%)の抗体陽性となっている。抗体陽性とは、かつて新型コロナに感染・回復して抗体を保有していることを意味する。要は、ほとんどの人が無症状感染で、いつのまにか回復して抗体を保有したことになる。東京の人口1100万人に当てはめると1.1~2.3万人になる。現在でも同程度の無症状感染者がいると考えると大幅にPCR検査の能力を上げ、より多くの感染者を確認する必要がある。無症状感染者がいつのまにか回復していると、無症状中に接触し感染した人は経路不明となる。特に、20~50代の働き盛りの活動範囲は広く、影響力は大きくなる。如何にして無症状感染者を回復前に確認するかが重要になる。
現在のPCR検査能力は増強されているが、あくまでも対象者は症状を意識した人であり、無症状者は対象になることは少ない。分科会の定義した3グループの内、有症状感染者はこれまで通りとして、不特定無症状感染者を対象にすることは困難なので、如何に分野を特定した無症状感染者を確認するかが重要になる。
例えば、企業単位で全社員対象のPCR検査・抗原検査(抗体検査ではなく)の実施、新宿区が推進したような地域毎の特定分野の住民、人の集まるイベント(スポーツ、劇場、各種遊興施設)での簡易PCR検査・抗原検査、航空機・長距離鉄道・船舶等での実施等々、出来ることから実施し、対象者を正規のPCR検査に繋げる仕組みを構築することが必要になる。各種の簡易PCR検査や抗原検査を選別・認定し、より拡充した正規のPCR検査体制と連携させた仕組みの構築が望まれる。
C:我々が実施すべきこと
1: 1人1人が無症状感染者かも知れないと意識して行動する。要は、これまでと同様に、3蜜を避け、マスクの着用、抗ウィルス消毒を徹底する。必要なPCR検査・抗原検査を受ける。
2: 感染者の増加問題をあおる報道は冷静に見る。感染者数の増減は、その時の検査対象がどうであったかに依存するものであり、必ずしも傾向値ではないと理解する。
3: 新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)を正しく理解して、積極的に活用する。COCOAは、現在そばに感染者がいるかどうかを知るアプリではなく、確認された無症状感染者との接触が過去にあったかどうかを知るためのツールと考えるべきである。無症状感染者がPCR検査で陽性になり、COCOAに登録すると、記録されていた過去14日以内の活動から誰と接触していたかを分析できる。無症状感染者がいつどこで感染したかは、本人も含めて、極めて解りにくい。COCOAを通して過去の活動から他の感染者と何処で接触したかを分析し、感染経路を見つけられる可能性がある。また、感染者の無症状時期の接触実績からPCR検査受診の案内を対象者に連絡することも可能になる。但し、感染者がPCR検査後にCOCOAをインストールしても遅いことになる。感染者になる以前にCOCOAをインストールすべきである。
4: 全くのワイルド・アイデア: 4日間の全国民活動停止
無症状感染者が4日程度で有症状になるか回復するとすれば、国民全員が4日間活動自粛をし、PCR検査場、病院・軽症者用施設および限定した移動手段のみ活動し、自宅で出来る作業は継続する。理論的には、4日後には、全ての感染者を特定し、無症状感染者も一旦クリーンに出来るのでは?? 費用的にも安いかも知れない。 日本では無理かな??
TV報道を見ていても、医療関係の有識者がPCR検査を増やすべきと発言してもほぼ無視して感染者数増加への対応策のみを議論しているように思える。議論されているような対策の徹底も重要であるが、積極的に無症状感染者を確認する仕組みも非常に重要であり、検査体制を拡充してより多くの感染者を確認すべきだと切り替えて欲しい。
【その他雑感(20)-最近考えたこと:外出自粛期間中に(4) 】 ― 2020/05/25 16:27
外出自粛は5月25日全国での解除が決定された。その後は、どうなるか? 世界中で、出口の判断基準が色々議論されている。ワクチンと効果的な治療法が完成するまでは終息しないと思うが、自粛の段階を工夫して、収束してくれれば良いのだが。今回は、地方自治体について考えてみた。色々調べた結果、またまた長文になった。興味のあるところだけ覗いて下さい。印刷は必ずページ指定にして下さい。
最近は、コロナ感染者数の動向とPCR検査の仕組みが大きな話題であり、保健所の在り方や検査の集計の仕組みが種々議論されている。そこで、日本の地方自治体の在り方と自治体でのIT行政について考えてみる。その中で私の考える解決方法として新しいリージョン(地区)制とリージョンCIOについて整理してみたい。
A: 地方自治体の現状と課題
地方自治体の現状と団体数縮小(平成の大合併)の推移:
総務省発表の最新状況(2019/03末)で地方公共団体数および職員数は次の通りになる。
団体数:1765(都道府県=47、市=792、町村=926)
職員数:274万人(教育部門=101万、警察部門=29万人、消防部門=16万人、福祉部門=37万人、公営企業会計部門=35万人、福祉を除く一般業=55万人)地方公共団体は歴史的に数回の大合併で縮小してきたが、最新の平成大合併(平成7年から開始され、平成17年頃ピーク)により平成6年の3288から昨年の1771まで縮小(53%)している。それに伴い、全体の職位数も図のように、328万人から274万人(83%)まで縮小している。

新型コロナの対応に見られる地方自治体の課題: 20年以上かけて、団体数はほぼ半減、職員数は約2割減と相当な努力の結果と思うが、本来の主目的から見るとまだ課題は大きいと感ずる。今回の話題の保健所も、ピーク時の852ヶ所から現在の469ヶ所と大幅に削減されている。地方自治体に限らず、経費削減や要員削減の指示が一律に出されると、本業は削減せずに下工程への支援作業を容易に削減することが多い。地方自治体に見られる課題を整理してみる(かなりの憶測含みではあるが)。
超タテ割り、上下割り行政: 官庁、自治体のタテ割りは、各種の報道で我々も良く知る話だが、地方自治体での上下割りも強い。都道府県-市区町村の関係は上下の連携は極めて少ないように感ずる。今回の新型コロナの保健所での感染者データから、私の住む船橋市-千葉県-厚労省の連携を確認してみる。船橋保健所は、先ず船橋市に報告し、同時に(orその後に)厚労省に報告。千葉県は船橋市から報告を受けている。が、どうやら市川保健所は千葉県に報告し、市川市は千葉県のデータを参照しているように見受けられる。厚労省のHPでは、面白いことに、次の注釈付きで感染者数を掲載している。“令和2年5月8日公表分から、データソースを従来の厚生労働省が把握した個票を積み上げたものから、各自治体がウェブサイトで公表している数等を積み上げたものに変更した。”
新型コロナの対応では、新規感染者数は極めて重要な指標なので、本来は保健所⇒厚労省⇒地方自治体のルートであって欲しいのだが、誰も指示は出していないように思える。企業でもタテ割りの強い場合もあるが、緊急事態での報告ルートの指示はスムーズに徹底されることが多い。地方自治体の上下割りは独特の大きな課題と思う。
これと同じ理由と思われるが、横の支援、上下の支援体制についても非常に弱い。今回の保健所でのPCR検査でも要員不足が問題視され、色々支援の申し出があったのにも拘わらず実現せず、全く別にPCR検査センターを設置する自治体もある。首相の依頼でもなかなか体制が整わない。部門横断的プロジェクトは実現が困難: 今回の新型コロナや災害対策では、部門を超えた対策チームの編成が必要であり、全体のプロジェクト管理が非常に重要になるが、地方自治体にプロジェクト管理の専門家は少ないし、計画的に育成しているとも聞こえてこない。国レベルでも、今回の新型コロナの対応を見るとプロジェクト管理の責任者がいるようには見えない。結局、災害対象地区の知事や新型コロナの西村大臣が責任者となるが、プロジェクト管理をしているようには思えない。米国に倣ってFEMA(連邦緊急事態管理庁)のような省庁の提言も出されているが、新型コロナの対応が落ち着いたら、国と地方自治体を連携した組織の設置が不可欠と思う。
低いエンパワメント・レベルを維持したまま:地方公共団体の職員のエンパワメント・レベル(下記)はレベル5に限りなく近いのではないかと思われる。上司の指示というよりも、マニュアルの指示に従うことが多いように感ずる。住民の利便性を配慮することや職務の生産性を高める工夫や提言を行うことよりも、マニュアルに正しく従う傾向が強いのではと感ずる。作業の品質を維持するためには、マニュアルの徹底は極めて重要だが、色々工夫して効率や利便性の向上を図る自主性を高めることも奨励して欲しい。
レベル1 : 自主的に行動し、日次や週次報告等で上司に報告する
レベル2 : 行動を起こし、同時に上司に確認する
レベル3 : 上司に進言し、その結果で行動する
レベル4 : 何をするべきか上司に尋ねる
レベル5 : 何をするべきか指示されるまで待つ
地方自治体におけるIT行政の課題
製造業を担当していた元IT屋から見ると、地方自治体の(国レベルでも同様であるが)ITシステムは古い。技術革新が急速に進み作業効率や品質を高めるものがどんどん展開され、ITシステムの実用化も極めて簡単にできるようになっているにも拘わらず、これまでの書類中心の仕組みへの改革は検討されないように思われる。今回の新型コロナの対応を見ると、首相から国民まで感染者数の推移を注目しているのに、いまだに紙ベースでの集計作業のままになっている。保健所から新型コロナ専門家会議の間に、ITの専門家がいれば、2/15からのクルーズ船の対応の中で最新のIT技術を活用した集計システムが1~2日で準備されていたはずである。政府、専門者会議、自治体の中の誰も提言しなかったことは極めて不思議である。新規の検査と2回目以降の検査の区別がつかないため、PCR検査数が集計できない。PCR検査の受付けても検査待ちの日数(ピーク時は7日以上)があるため検査の感染率が計算できない。集計ミスがあったため、遡って修正が入る。この状態が3ヶ月以上放置されている。多分、保健所の医師に仕組みを変える負担を掛けたくないという理由ではないかと思うのだが、ITの専門家が準備すれば、医師の負荷は却って少なくなっていたはずである。
B: 地方自治体のリージョン制展開の勧め
地方自治体を6~8リージョン(地区)程に統合し、企業で言えばホールディング・カンパニーとして定義し、コア業務をリージョンに統合し、各自治体は本来の業務に集中する仕組みにする。以前議論されていた道州制と少し考え方が違うので、リージョン(地区)と呼ぶことにする。
1) 数年前に議論されていた道州制との違い: 数年前に種々議論された道州制は賛否両論で、いつのまにか話題から消えている。議論された道州制も種々あったが、自民党基本法案に対して、全国町村会が反対し、道州制の課題を発表している。ここでの道州制の概要は、都道府県に代わり、道州を設定し、一部の国の事務事業を移管する。現在の市区町村を基礎自治体とし、都道府県の一部の事務事業を移管するとしている。全国町村会が指摘する課題は、集約すると、市区町村(基礎自治体)の事務事業の負荷が大きくなること、基礎自治体という一律の考え方で、市が主力となり、町村は地位が低くなる恐れがあり、町村は更なる合併を要求される可能性があること、結果として地方の自治力が衰退する等を挙げている。
リージョン制では、都道府県をリージョンに統合することは同じであるが、リージョンに人事、総務、経理等のコア業務を一本化することにし、各市区町村に必要要員を派遣する。ポイントは、リージョン組織一体で、効率を上げ、地方自治のサービス・レベルを上げることにある。効率を上げるため、リージョン内の重複の徹底した排除、各職員の専門性強化による作業効率の向上を図る。サービス・レベルを上げるために、職員を最適配分し、特に、介護・福祉の拡充を図り、災害対策等の非常事態に備えて臨機応変に横・上下の連携できるようにする。2) リージョン制で考慮すべき項目: リージョン制のイメージを具体化したいので、仮に首都圏の1都3県を首都圏リージョンとしたと想定してみる。現行の都・県の議員と職員は次のようになる。

リージョン内でのコア機能の統合と各組織体の役割分担: 人事、経理、総務等のコア機能はリージョン管轄として、市区町村の担当職員はそのまま市区町村を支援する。都道府県に所属する職員はリージョンに集約し、リージョンでの役割に従って最適化する。消防部門、警察部門、教育部門および福祉関係行政は、リージョンと市区町村の連携を強化する。一例として、年度方針、予算はリージョンに集約し、活動実施および管理は市区町村が実施して市区町村長およびリージョン部門長に報告する。福祉をのぞく一般行政では、ITを活用したリージョン共通の活用仕組みを構築し、徹底して利便性の追求、作業効率の向上を図る。効率が上がれば、余裕時間で新規の機能として、スマホ等のIT技術を活用して、住民からの要望や苦情を収集・集約して、市区町村およびリージョンに報告することも可能になる。
リージョン内の会議体の在り方: 従来の市区町村議会と都道府県議会の連携は少なく、むしろ重複が問題視されることもあった。ここ数年間の大阪都構想の議論は、府議会と市議会の重複の解消が主題と理解している。現在、地方自治体に求められていることは、表面化した問題に対応することではなく、問題を予測して対応策を検討・実施することにある。そのために、住民と接触している第一線の職員からの最新の状況をタイムリーに把握し、リージョン全体で課題解決を図ることが必要になる。従って、自治体の上下割りを解消し、市区町村議会とリージョン議会の連携を図ることが重要になる。 一例として、リージョン議会を次の3つの機能で構成する。
①リージョン全体の年間計画、中期計画を構築し、リージョン、市区町村の予算配分を準備・決定する。
②消防、警察、教員、福祉等の部門を管理する。要員計画、年次計画を決定し、市区町村のそれぞれの部門と連携して実施を管理する。
③地域(例えば従来の都道府県)代表のリージョン議員と市区町村長・議長で構成し、日々の課題・
要望・不満を把握し、対策を検討・実施する。
議会運営は、月~木曜日で①,②,③を開催し、金曜日を全体会議とする。市区町村会議は、③の議会の前日までに課題・要望・不満と検討したい対策案を議論しておく。それぞれの議会で決定された行動計画は、責任者と期日が決められ、次回の会議で進捗状況が議論される。①,全体会議は月次開催、②,③は週次会議とする。リージョンとしての緊急事態対応等の組織横断機能: 今回の新型コロナ対応や昨年の災害対策等では、組織横断的なプロジェクト・チームの編成が必要になる。ダイナミックにリージョン内外の専門家や職員を招集する仕組みが必要になるが、それ以上にプロジェクトを管理するリーダーや専門家の育成が重要になる。リージョンの人事政策の中で各種専門家の計画的な育成を検討する必要がある。リージョン内の産業育成や観光のプロモーション等でも複数の部門の参加が必要になる。今後必ず発生するものとして、地域と企業のコラボレーションによる研究プロジェクトが考えられる。自動車業界のCASEと地域コミュニティがスマートシティの研究を開始しているし、新型コロナ対応の新しい働き方の展開として、IT企業と連携したオンライン教育やオンライン診療等の拡充の研究、農業、水産業、林業等と企業のコラボレーション等々、自治体と企業あるいは農協、郵便局等との連携が広がると予想される。
介護サービスや児童相談所等の福祉サービスの拡充: リージョン制の大きな狙いの一つは、上述のような改革を通して要員・予算を削減し、介護や福祉の強化に繋げることである。上述の改革で、全地方公共団体の270万人の職員の20~30%程度は削減可能ではないかと考える。例とした首都圏リージョンであれば、10万人強の職員を介護や福祉サービスの拡充に活用できることになる。
3) リージョンCIOの任命とリージョンIT行政: 上述のリージョン制の仕組みには、最新のIT技術の活用が不可欠になる。リージョンIT行政に必要な考え方について考える。
リージョンCIOの任命: リージョン内のITシステムは、CIOを責任者として、リージョンで一元管理する。リージョンCIOは外部から最新のIT技術の実務経験者を招集して任命すべきである。国レベルでもCIOを任命し、官公庁全体でのIT行政の責任者とし、リージョンCIOと連携を取ることが重要になる。地方自治体のITシステムは、基本機能は全国共通で準備する。リージョンや市区町村での独自に必要な機能は最小限とし、リージョンCIOの判断で追加する。新しいリージョンIT行政で考慮すべき要素を整理してみる。
クラウドやAI等の最新技術を活用し、リージョン内事務活動の生産性向上、住民への利便性の追求、短時間でのシステム開発等を実現する。世界的に見ると、現在の日本の官公庁でのIT利用レベルはOECDの中で、極めて低いレベルにある。地方自治体での海外の先進事例の調査レポートも多い。世界での先進事例を大いに参考にすべきである。韓国や台湾には参考にすべき点が多いはずである。またIT業界の中では、エストニアの官民一体の考え方の評判が良い。将来の参考にすべきと考える。
企業でもディジタル化による改革が急激に進むことになるが、多くの中小企業ではなかなか進展していない。地方自治体の産業振興としての支援が強く求められる。リージョンCIOとそのチームは、地域の中小企業のディジタル化に対する指導・支援の仕組みも検討・推進する必要がある。マイナンバー・カード、法人番号カード、在留カードの活用: 現在は、役所で何か依頼する場合は必ず伝票記入から始まる。今後は住民への案内を徹底し、市区町村の役所に行くときは、必ずカードを持参する習慣にしたい。来年3月からはマイナンバー・カードが保険証に切替え可能になるので、徹底し易くなるはずである。法人カードや在留カードの経験はないので、マイナンバー・カードを例にする。先ず、入り口にセットされているPC/タブレットにマイナンバー・カードを投入し、メニューから何をしたいか選択すると窓口と指定の伝票が印刷される。表示された窓口へ行き、伝票に署名し、担当職員に提示する。将来、伝票の必要がなくなれば、窓口で職員に名前を告げ、依頼内容を伝えることになる。依頼内容が住民票発行等の簡単な要請の場合は、コンビニのKIOSK端末と同様に、その場で書類が得られることになる。マイナンバー・カードが未発行や暗証番号不明の場合は、パスポートや健康保険証等の身分証明書持参で指定の窓口でサポートを得る。住民の利便性が向上すると同時に職員の応対の効率も向上するはずである。
伝票と書類の排除: リージョン制自治体では、書類文化を終結し、IT活用文化に切り替える。IT利用が不慣れなお年寄りの支援にも工夫する必要がある。銀行等で実施しているフロア・ガイド等の仕組みも必要になる。それ以上に、自治体内部での意識改革は不可欠になる。書類での保管から電子ファイルの保管に切り替えると、隠し帳簿や二重帳簿は困難になる。電子ファイルでは、更新状況も記録する仕組みにすれば、改竄は容易ではない。上述の会議体を運用するためには、議事録を作成し、必要な議員・職員で共有することが必要になる。承認印のようなハンコ文化も、電子署名文化に切り替える。オンライン承認手続きになれば、大幅な時間短縮につながるはずである。
リージョン・データベースの構築、全リージョンでの共有: リージョン内のITシステムは、基幹的業務は統合すべきであるが、単発的な業務や地域特有の業務は、リージョンCIOと確認の上、個別に展開可能にするが、ルールとしてファイルはリージョン・データベースに保管する。これらのデータベースは、いわゆるビッグデータであり、リージョン内での分析に活用される。多くの情報は、民間のビッグデータ分析への提供も要請されるものであり、地方自治体と各種団体・企業との連携に有効なデータとなる。
他のリージョンとの連携も容易であり、共通する分析にも活用できるし、住民移動に伴う種々の情報の移管・共有も容易になる。また、災害の備えとしてのバックアップ・ファイルもリージョン間で相互に保管することができる。今回の新型コロナ対応でも政府からの多くの通達が出され、地方自治体ではその対応で大混乱になっているようである。例えば、特別定額給付金の対応では、4/20に閣議決定され、私の地元の船橋市では、5/1にオンライン申請が開始され、5/18に郵送での通知が開始され、5/23に私の手元に配達された。オンライン申請の難しさが色々報道されているが、私の場合は、暗証番号も記録しており、ICリーダーもあったので、5/21に約30分で申請を完了した。報道では、オンライン申請では、目検に時間が掛かるので、郵送対応より遅くなる可能性ありとも言われている。自治体によっては、オンライン申請を使わずに郵送して欲しいと案内しているとか言われている。私の5/21申請の給付金はいつ入金されるか? 船橋市の対応力はどうか、楽しみでもある。
今後とも政府からの通達は多くなると予想されるが、そのたびに各地方自治体が個別に対応する仕組みは早急に改革する必要がある。リージョン制では、リージョン統一の仕組みで展開し、郵送でもオンラインでも共通のITシステムで人手を介さない検査を出来るようにすれば良い。AI技術から見れば、この類いのオンライン検査は容易な作業の一つである。新型コロナの対応では、官公庁のスピードの遅さが顕著になっている。新規通達の対応では、クラウドとAIの徹底利用で、短期間での実現、目検に変るオンライン検査、住民への利便性の実現を図るべきである。最期に、新型コロナの感染管理の仕組みについて言及したい。これまでのファックス利用の感染者管理は早急に新しいものに切り替える必要がある。自粛解除を期に、ようやくあちこちから新規の管理の仕組みの提唱がでている。本来の自粛要請の目的は、医療体制の崩壊を回避することにあったはずであるが、いつの間にか感染者数の管理に変っている。感染者数を減らすことも重要であるが、治療薬やワクチンの完成までの半年から1年間の医療体制の拡充と感染者検査の仕組みを体系化し、管理する指標を明確にする必要がある。仕組みと指標が明確になれば、管理のためのITシステムは1週間以内に実現できるはずである。台湾で新しく任命された36歳のIT担当が、感染者追跡システムを2日で実現した話が評判になったが、最新のIT技術の活用で実現はそれほど難しくはない。管理の仕組みと指標を誰が責任者として設計するのかを決める方が難しい。当然走りながら試行錯誤で変更しながら、第2波、第3に備える必要がある。新型コロナ収束に効果的な管理の仕組みが今後のリージョンIT行政のたたき台にすることが望まれる。
色々憶測を含めて整理してみたが、現在地方自治体に携わっている人はほとんど反対するだろう思っている。でもこんな地方自治体が実現できたら凄いと思うのだが。 自粛中の夢物語かも!?
【その他雑感(19)-最近考えたこと:外出自粛期間中に(3) 】 ― 2020/05/06 12:36
まだまだ外出自粛は続きそう。我慢して、外出を自粛し、色々考えることを継続する。
今回は、日本の労働生産性の低さを確認し、私が考える原因と対応策について整理してみたい。これからの日本の将来を色々考えたら、今回も超長文に。細かい部分は斜め読み、印刷はページ指定にして下さい。
3月23日の日経新聞に次のような記事が掲載された。
“生産性、日本は劣勢続く 先進国平均との差広がる デジタル化遅れ影響か”
要約1: 日本の労働生産性は低い状態であり、主要各国(OECD)の平均以下になっている。
要約2: 日経の分析では、労働生産性とデジタル化の進捗度に強い関連性があり、日本のデジタル化の進捗が遅いことが労働生産性の低さの原因の一つになる。
このテーマをより深掘りしてみることにしたい。
先ず、労働生産性とは、一人当たりの生産量であり、国別での分析では、GDP/人口(上記レポートでは、総労働時間)で比較している。企業で比較する場合は、総売上高または利益/従業員を利用することが多い。
日本の2018年度の労働生産性は、OECD(経済協力開発機構)36ヶ国の18位、先進7ヶ国の最下位になっている。これまでの傾向は下図の通りであり、1998年以降ほとんど位置は変わっていない。
1990年までの高度成長期には上昇傾向にあったが、バブルが弾け安定成長期になると低位置のままになっている。労働生産性が低いままだと、給与も低いまま維持される可能性も高い。
何故、日本の労働生産性が低いままなのか? 日本は「おもてなし」精神が強いので、他国より時間を掛けるという説や日本は他国に比べて物価が安いのでGDPそのものが低いという説もある。しかし、実感として、個々の処理時間は日本人の方が速いと思うし、日本のGDPそのものは世界3位(2018年)であり低くはない。どうみても日本人の仕事は他国に比べて遅いとは思えない。であるのに、労働生産性はずっと低いままなのか? 私の考える理由は、余分な仕事をしているからと考えている。ここで、その理由や余分の仕事とは何かについて整理をしてみる。上述の日経の記事にあるデジタル化の進捗が遅い理由も合わせて考えてみたい。但し、既に企業改革が進んでいる企業も多いと思われる。あくまでも例として確認して欲しい。
エンパワメント・レベル
先ず、労働生産性を考えるためのベースとして、エンパワメント・レベルについて触れておきたい。エンパワメントは、“力をつける“ということであり、社員一人一人が仕事を実行する力(パワー)を意味し、エンパワメント・レベルは、自主的に実行するレベルを表している。権限移譲と訳する人もいるが、エンパワメント・レベルに応じて権限移譲の割合を確保できると考えるべきである。レベルの定義も幾つか紹介されているが、ここでは次の5レベルとする。
レベル1 : 自主的に行動し、日次や週次報告等で上司に報告する
レベル2 : 行動を起こし、同時に上司に確認する
レベル3 : 上司に進言し、その結果で行動する
レベル4 : 何をするべきか上司に尋ねる
レベル5 : 何をするべきか指示されるまで待つ
社員は、自分自身の能力を向上させ、上司と相談・確認し、上位のレベルを目指す。上位レベルになれば、自分で判断できる割合が増加することになる。このエンパワメント・レベルを昇進や昇格の判断項目の一つに組み入れる考え方もある。組織的にも所属社員のレベルを高めることで、組織対応力や組織スピードの増強が期待できることになる。
欧米では、1990年代から人事政策の仕組みとして運用し、昇格や権限移譲の判断材料に利用している。しかし、日本ではエンパワメント・レベルという言葉は適切な日本語も無く、浸透もしていない。労働生産性の停滞と合わせて、その理由を確認してみたい。
A: 日本の労働生産性が停滞している理由の推測
私なりに考えている停滞の理由は、大きく2項目、即ち、従来からの伝統的な部門最適化と多段階の組織形態である。
部門最適化と多段階の組織体系の背景: この2つの要素は、1990年代まで続いていた高度成長期に形成され、適用されていた。多くの企業で、毎年策定の経営方針を方針展開として、各基幹部門や事業本部に指示し、それぞれ部門方針を策定し、下部組織に展開していた。各部門で最適化を図り、多段階の組織形態を通して、計画策定(予算化)⇒下部組織で運用⇒実行管理を徹底していた。いわゆるタテ割り行政になる。
安定成長期(低成長)における部門最適化と組織形態の問題点: 安定成長期に入ると、一般的に最初に経費削減を目指す。この段階では、タテ割り行政の展開でも目標達成が可能であった。しかし、経費削減を長く続行すれば、企業規模縮小に陥る。企業規模の維持・拡大のためには、売上拡大の戦略展開が不可欠になるが、タテ割り行政による課題が多い。
複数の部門のバラバラな戦略: 各部門で色々工夫して新規分野への参入を図るが、狙う領域が重なることも多い。混乱するのは営業部門やお客様で、企業内競合が発生する。
競合の激化に伴う社内折衝の増加: 高度成長期では、暗黙の了解で市場の棲み分けが図られ、競合状態は最小限に維持されていた。安定成長期では、市場の取り合いになる。異業種や海外企業からの参入も激しくなる。お客様からの値引き、取引条件の緩和や特殊機能の追加等の要求のために主幹部門との折衝が必要になる。タテ割り行政の中で、先ず自部門の上位管理者に説明・説得が必要になる。上司が消極的であると作業量の負荷も大きくなる。自部門の説得の完了後、主幹部門への依頼になるが、例外処理の扱いになるため、承認獲得までの負荷は大きい。複合商品の場合は、関連する部門の価格責任者と個々に折衝することになり、大変な負荷になる。
複雑な商談や社内プロジェクトの部門を超えるチーム編成の増加: インターネットで容易に各社の情報が把握可能であり、技術革新により選択の幅が広がる。その結果、市場や顧客の要望が変化し、単体商品はネットでの購入の割合が増え、営業との商談は、課題の解決や要望の満足を得るための提案依頼が増加する。依頼を受けた営業職は、1人では無理なことが多く、それぞれの専門分野を有する専門営業とチームで対応することが多くなる。複数の部門からダイナミック・チームを編成する場合には、それぞれの部門長と折衝が必要になる。招集したい専門職は所属部門の重要な戦力であることも多く、交渉のための作業負荷も大きくなる。
部門内月次/週次の部課長会議: 安定成長期になると、業務目標の達成は容易ではなく、月次/週次会議で状況の確認、課題の抽出、対策の検討が議論される。数多い案件やプロジェクトの全てに関与しているわけではないが、上司から質問されて「未把握です」とは答えにくい。そのため、事前に質問されそうな状況について、部下に状況レポートを求めることが多くなる。部課長は大量の資料を抱えて会議に臨むことが多い。また、会議で対策を求められた場合には、部下を招集し回答文書の作成を求めることもある。月次/週次会議の前後には、部下の作業量が増えることが多い。
課長の指示による作業指示の弊害: 安定成長期になっても、高度成長期の延長線上で課長からの指示で作業を進めるという企業も多いようである。各種の依頼や申請をする場合も課長に了解を得る仕組みも多い。2009年に行われた総務省のテレワーク実施試行で最初に紹介された機能が、テレワーク中の課長席のPCにセットされている課長呼び出しボタンだった。また、折角テレワークしている社員が捺印の依頼のために出社しているとニュースで紹介されていた。キャスターは対外的な書類の社印捺印の依頼のようだと説明されていたが、社印を必要とする類の書類はそれほど多くはないし、郵送でも間に合うことが多い。課長の判断を必要とする書類への捺印依頼の可能性が高いと思われる。
課長の指示で活動している環境では、部下が自主的に仕事を進めると、勝手に動いていると判断されかねない。課長をスキップして上位管理者と相談することはタブーに近い。課長から見ると自分の存在感を軽く思われるという不安感が強くなる。
最初に紹介したエンパワメント・レベルに当てはめると、部下はレベル3までが望ましく、レベル4,5は奨励し難い。高度成長期からの長年の考え方であり、簡単には変わらない。部下も自分の判断で作業を進める望みは低くなるが、自分で工夫することや判断する必要がないので、気分的には楽である。B: 労働生産性向上のために考えるべき対策
全社最適化: 試行錯誤が多い状況で経営スピードを上げ、全体の生産性を向上するためには経営戦略の全社最適化が必要になるが、実現には極めて厚い壁がある。部門長が抵抗勢力になる可能性が高い。部門最適化時代の部門長はお城の殿様に近い。全社最適化になると、そのお城の明け渡しを要求される。今まで最適化してきた自部門の運営は、制限を受けるし、思い通りにならないことも生ずる。全社最適化には、最上級役員の強いリーダーシップが不可欠になる。
管理者の役割の見直し: 安定成長期の管理者には新たな役割が加わる。変化の激しい市場や顧客の変化をタイムリーに把握し、経営戦略に迅速に反映させるというボトムアップの役割が求められる。市場や顧客の変化に接している第一線の社員から迅速に状況を確認し、統合し、集約し、上位管理者に伝達する双方向の方針展開に切り替えることが必要になる。
また、経営スピードを上げるために、フラット組織に改革することも検討される。主に実務管理を担っていた課長職は専門職としてのグループ・リーダーの役割に切り替え、人材管理や組織管理を部長の役割に集約することも考えられる。総合職と専門職: 最近は、多くの企業で専門職の強化が進んでいる。市場や顧客が求める解決策を提案するようになると、社内・外に専門職のネットワークを準備し、必要に応じてダイナミックにチームを編成して活動することになる。部門や企業を超えて活躍する専門職も出現することもある。専門職は文字通り人的財産となり得る。例えば、経理部や法務部の社員が専門職として、解決策構築のチームに参加し、経理的、法務的なアトバイスをすることも考えられる。総合職の管理職も管理の専門職として人材育成の対象になる。米国では、外部の管理者研修のカリキュラムが豊富にあり、マネジメント・スキルを高めることを要求されている。
エンパワメント・レベルとエンゲージメント・レベル: 新しい仕組みの展開により、社員は高いエンパワメント・レベルを目指すことが望まれる。エンパワメント・レベルの向上とエンゲージメント指数(社員のやる気、企業への貢献意欲)が相関するという論文もある。どのように計測したか不明だが、
図にあるグラフでは日本の社員のエンゲージメント指数は低いと表示されている。エンパワメント・レベルを高めることを昇進・昇格の基準に組み込むようにし、管理者も含む全社員が高い専門性を追求することが望まれる。従来は、昇進のために管理者を目指す傾向にあったが、これからは専門職としての昇進・昇格の体系を構築する必要がある。
このような対策を実現するためには、企業内の仕組みの大幅な改革が必要になる。新型コロナによる外出自粛の要請で活動が制約されている今こそ改革の絶好の機会になる。思い切って、新型コロナの収束時には、新しい仕組みで再開できるようにすべきである。C: ディジタル化への対応:
守りの投資から攻めの投資へ: 安定成長期では、先ずコスト・経費の削減を推進し、次の段階で売上拡大に切り替えることが多い。それに伴い、デジタル化の米国での傾向は、守りの投資から攻めの投資に切り替わっている。しかし日本では、依然として守りの投資が継続している。
経費削減の段階では、従来通り基幹業務を担当する部門が守りの投資を推進できる。しかし、売上拡大のための攻めの投資には、営業部門やマーケティング部門が主導する必要があるが、主幹部門が強いためなかなか移管されない。
攻めの投資に切替えるためには、全社最適化の中で売上拡大戦略を展開することが必要になる。基幹業務の機能を分解し、全社最適化の仕組みに再構築することになる。
デジタル化の中心になるクラウド、IOT,AI等の新技術は、これまで触れた対策を実現するために非常に有効になる。ITコンサルタントの支援を受け、基幹業務を機能分解し、クラウドを活用して新しいものに組み立て直す。できるだけパッケージを活用し、徹底的にシンプルな仕組みにして、最小の工数で、最短の期間で実現できるよう工夫する。AIの活用は難しいことは考えず、先ず従来の作業で、社員がつまらないと思う作業にAIを利用することから開始し、社員はより創意工夫が必要な活動に集中すべきである。電子決済: 外出自粛要請の中で、電子決済の採用も勧められている。電子決済を支援するパッケージも色々あるので導入することは難しくはないが、導入前に徹底して現在の社内伝票の見直しを実施すべきである。改革後の伝票の必要性を確認し、更に捺印欄にある承認者の必要性を吟味する。重要な伝票については、決済権限ルールを設定し、電子決済システムに反映させるべきである。
テレワーク: 4/23の経団連の発表では、調査した406社では97.8%の実施率となっている。一方、LINE分析等での発表では27%となっている。要は、企業としてはテレワークの環境を準備しているが、社員の利用度合いはまだ浸透していない状況になっている。エンパワメント・レベルの高い社員はテレワークの利用で生産性は高まると期待される。
一方、テレワーク実施中に不安を感ずる人や孤独感を持つ人もいる。作業指示や指導が必要な若手や経験不足社員には、アドバイザーを任命し、グループ・リーダーやアドバイザーと容易に相談できる仕組みにすることが望まれる。オンライン会議: 日本でも、IT企業や外資系企業ではオンライン会議は良く利用されている。米国では2001年の911以降、オンライン会議の利用頻度が高くなっている。911直後、航空機利用は敬遠され、出張を伴う会議は開催できず、オンライン会議が主流になっている。人数の多い事業所では、会議室に集まり、他の事業所からはオンラインで参加する形式も多い。最近のニュースではTV会議を紹介しているが、企業での会議にTV利用はそれほど必要ではない。現実の会議は、議題を議論し、何かを決定することが多く、説明者が準備した資料をたたき台にして議論する方式が多い。参加者は顔写真の表示で充分確認できる。管理者が主催する顔見せ的な会議は不要不急とし、管理者からの通達メッセージは動画配信で充分カバーできる。
新型コロナの収束後の経済は急速に回復するが、一律ではなく、効果的に対応した企業が伸び、旧態依然とした企業は取り残されると言われている。絶好の機会になるこの数ヶ月間で企業改革に取り組むべきと思われる。我々の投資計画も各企業の取り組みの分析が必要になる。じっくりと投資先を検討したい。
【その他雑感(18)-最近考えたこと:外出自粛期間中に(2) 】 ― 2020/04/26 18:01
【その他雑感(18)-最近考えたこと:外出自粛期間中に(2) 】
<< トヨタが変わる! トヨタの営業が変わる!! >>
トヨタ自動車(以下、トヨタ)が大きく変わろうとしている。昨年12月、豊田章男社長は、企業情報のトップ・メッセージで 「モビリティカンパニーへのフルモデルチェンジに向けて」と企業の方向を発表している。
項目としては、次の3項目。
CASE*の時代に合わせたビジネスモデルの転換
「人」が中心の未来に向けて
「人づくり」にとことんこだわる
詳細は https://global.toyota/jp/company/mess ages-from-executives/
*CASE:Connected, Autonomous/Automated, Shared, Electric (コネクテッド、自動運転、シェアリング、電気自動車)
そこで、モビィリティ・カンパニーのビジネスモデルの構想(例)を全く勝手に考えてみた。
(注: 外出自粛要請で時間もあるため、長文になりました。細かい部分は斜め読みしてください。)
トヨタのビジネス・モデルを想像してみると図のようになる。従来は、経営方針がトップ・ダウンで展開され、経営方針の更新は、年単位あるいは四半期単位に実施されており、お客様からのカスタマイズの要望は、ディーラー・オプションやカスタム・ショップ等の下流工程で実施されていたと推測する。
一方、新規モデルでは、大きなテーマとして、次の要素が必要になると考えられる。
1)従来モデルと新規モデルが共存する。従来モデルは売上や利益確保のベースとして、徹底して販売効率を向上する必要がある。新規モデルでは、お客様と新しいモビリティ・スタイルを相談し、その中でお客様の要望を確認し、解決策を合意しながら設計・提案・実現する販売活動が必要になる。
2)新規モデルの利益率は、従来モデルに比べるとかなり低くなり、且つ試行錯誤の傾向になる。従来モデルで充分な利益を確保し、新規モデルの低利益率をカバーする必要がある。従来モデルのみの継続では、企業規模を縮小することになる。従来モデルによる利益確保が可能な間に、新規モデルを定着させ,増強させることが必要になる。
3)新規モデルでは、系列・関連企業や協力企業との連携が不可欠になる。モビィリティ・スタイルによっては、従来とは異なる企業との連携も必要になる可能性が高く、アライアンス(企業連携)戦略の立案・推進する専門組織を増強する必要性が生ずる。
4)このようなモデルでは、お客様の要望・課題を的確に把握・解決し、市場の変化を迅速に経営方針に反映させることが不可欠であり、双方向の方針展開の仕組みの構築が必要になる。
このようなモデルがどのように展開されるのか、勝手なイメージを想定して、具体的に考えてみたい。
A) 「コネクティッド・シティ」の構成要素となるような新しいモビリティ・スタイルの例を想像してみた。
1) モビィリティ・オフィス
マイクル・コネリー(米国の推理小説家)の小説に「リンカーン弁護士」が主人公のものがある。この弁護士は、事務所を設けず、豪華なリンカーンをオフィスにして、専属のドライバーと契約し、顧客との打合せ、現場調査や裁判所等、どこでも出かけて、問題を解決する。
新しいモビリティ・オフィスではCASEを活用し、より快適で先進的なオフィスを実現できる。WIFI接続でリアルタイム情報の把握・共有が出来る。自動運転が可能になれば、ドライバーの代わりに、アシスタントを同乗させられる。サブスクリプションにより、車やオフィス機器を妥当な経費として利用できる。中心地のオフィスの賃料と比べれば充分採算が取れると思われる。更に、EVなので、車内のレイアウトを目的に合わせて、最適に設計できる。新型ウィルスの対応で定着しつつあるテレワークがより快適な環境で実現できることになる。動くテレワーク・オフィスは、弁護士だけではなく、色々のコンサルタントやフリーランサー、特殊技能を持つ技師、修理士や医師等の利用が考えられる。それぞれの用途に合わせてレイアウトや備品設置が設計可能でなり、幅広く拡張可能と思われる。また、延長線上に、モビリティ・ハウス(キャンピング・カー)への切替も考えられる。2) モビィリティ・ショップ
新型ウィルスのための外出自粛要請でフード・トラックや移動スーパーが注目を受けており、今後更に拡大していく可能性が高い。モビリティ・ショツプでは、EVをベースにフロアや筐体の自由度は高められ、他のCASEの機能を活用し、ショールーム、実演販売や新しいビジネス等にも展開することが可能になる。例えば、モビリティ占いを考えてみる。移動車のなかに幾つかの気密性の高い占いブースを準備し、見込み客の多そうなオフィス街に移動する。占いブースでは、WIFIを利用して、好みの占い師を予約し、占いを依頼する。5Gになれば時間差もないので、あたかも目の前で好みの占い師と相談しているような臨場感が得られる。複数の人気のある占い師と契約し、SNSで当日の移動場所を提示し、ブースと占い師を予約する。占い師はWIFI接続可能な場所であれば、全国(海外でも?)どこからでも対応できる。
ファッション系やスポーツ・グッズ系等でも対面販売が望ましいケースで、わざわざ店を構えずに、見込み客を期待できる候補地を順に回ることができる。5Gを利用して、お客様の採寸をしながら映像合成で試着をすることやスポーツ・グッズの効果を測定するという商談も可能になる。また新しいサービスとして、何人かのファッション・アドバイザーと契約し、ウェア、アクセサリー、宝飾品を含めたトータル・コーディネーションを合成映像で確認しながら最適な組み合わせを選択できる。スポーツ・グッズの分野でも、スポーツ・トレーナーや栄養士等とオンラインで、身体測定の結果を共有しながら、お客様の要望を反映したグッズの選択ができる。3) シニア・モビィリティ
シニアの免許返却が話題になっている。自動ブレーキや自動運転のりようで、シニア・ドライバーも存続すると思うが、市街地や過疎地でのシニア用のコミュニティ・バスの拡充が望まれる。地元のコミュニティ・グループと連携し、シニア用各施設や個人宅およびスーパー、医療施設、図書館等との移動サービスを提供するシニア・モビリティを考えてみる。CASEを活用して、より効果的に必要箇所を巡回するコミュニティ・バスを展開できると思うが、自動運転が定着した段階では、更に無人化し、センター・コントロールの仕組みに展開できる。コミュニティ・バスでは、ロボットが運転管理や乗降案内を行う。更に、支援ロボットを装備し、乗客の荷物運びを支援し、ネットで注文した荷物や薬の受取りも支援できるようにする。このようにCASEを活用して、現在のコミュニティ・バスを更に要望に即したシニア・モビリティへ拡充することが可能になる。
4) モビィリティ・デリバリー
現在の宅配サービスは、今回の新型ウィルス対策の1つの受け皿として需要拡大が見込まれているが、合わせて各種の課題が生じている。CASEを活用して、これらの課題の解決策をモビリティ・デリバリーとして提供できると考える。再配達が最大の課題と理解しているが、WIFIやスマホを活用し、不在状況や希望時間をより細目に把握し、AIを利用してリアルタイムに最適なルートを選択していくことで、再配達を回避し、配達効率を上げることができる。今後、ロボットの活用も検討対象になる。
5)乗用車モビリティ
従来モデルの延長線になる乗用車モビリティでも、CASEの本格的利用で、変化の激しいお客様の要望を個別に対応する自由度の高いモビリティ・スタイルを提供できると思われる。
B)販売活動
新規モデルでは、販売活動の変革が必要になる。「人」即ちお客様と営業職が合意しながらすすめていくためには、次の手順による活動が不可欠になる。モビリティ・オフィスを例にして確認してみる。
1)興味の喚起: 新規モデルでは、見込み客の興味の喚起が必要になる。見込み客候補として、自前のオフィスを検討しているようなコンサルタント、特殊技能者、デザイナー等々を調査する。個々に調査することは非効率なので、例えばセミナー開催のパンフレットを準備し、ベンチャー企業やスタートアップ企業を支援するチャネル等を通して案内することが考えられる。 パンフレットでは、「希望に合うようなオフィスが探せない、賃料が高すぎる、オフィスからお客様へまで遠い等々の問題でお困りではありませんか?当社では、皆さんが課題に対応する解決策を提供可能です。ご興味はありませんか?」を伝え、セミナーで具体的な解決事例と効果(採算を含めて)を紹介する。
2)要望の確認: 興味の確認ができたら、お客様の課題を解決するための要望や条件を具体的に確認する。同時に、これらの要望や条件が満足出来れば購入する意思も確認する。
3)解決イメージの提示・合意: 次に、解決策のイメージを準備し、お客様と摺り合わせて、合意を得る。この段階では、解決策を良く理解している専門営業との協同作業になる。専門営業は、必要に応じて、複数人の参画も考えられる(例えば、レイアウトや備品等の専門と駐車条件や法的条件等の専門)。大まかな費用の提示とお客様の予算確保の可能性も確認する。
4)解決策の設計・提案: お客様の購入意欲が確認できたら、詳細な提案活動を開始する。提案活動では、専門営業が主導することが望ましい。解決策の提供に系列・関連企業や協力企業の参画が必要な場合は、提案活動からの参加を依頼する。提案内容には、解決策の内容、価格、日程等に加えて、お客様が準備すべき作業・日程も含まれる。
5).契約・納入: 契約が完了したら、解決策を構築し、納入する。工期が複雑で長期になる場合は、デリバリー・リーダーを任命し、お客様のプロジェクト・リーダーと連携する。
C) 新規モデルでの営業体制に対して考慮すべきと考える項目
1) チーム・オペレーション: 新規モデルでは、営業部門に多くの新しい役割が必要になる。トヨタは、昨年4月に子会社であった東京トヨペットなどの販売会社をトヨタ本体に統合した。まだ1年経過なので、各子会社の体制の本格的統合は途上であり、今後モビリティ・カンパニーとしての新しい営業体制に整理統合されるものと推測する。新型ウィルス対応で第一線の活動は減少していると思われるので、新しい体制および新しい仕組みに切り替える絶好のチャンスになる。
先ず、マーケティング部門を拡充し、各部門および各国の計画を統合してトヨタ・グループとしての経営計画を策定すべきである。次に、アライアンス管理部門を増強し、系列・関連会社との連携、新規モデルの共有を図り、協力会社とのアライアンスの構築、維持、強化を管理する。従来、下流工程で車の改造をサポートしていたカスタマ・ショップ等は上流工程に参画を依頼する可能性が高いし、それぞれのモビリティ・スタイルに必要な備品の装備では、新たな協業の形成が必要になると思われる。
営業体制は幾つかの役割に分かれ、必要に応じてダイナミックにチームを編成し、共同して活動する必要がある。2) 意識改革: 新しいビジネス・モデルの検討および企業の仕組みや営業体制の構築は、限られた上層部と専門スタッフチームで推進可能であるが、運用実施は営業部門全員が納得して実施する必要がある。「人づくり」をベースにモビリティ・カンパニーをつくり上げるためには、全員の意識改革が不可欠になる。私の経験では、営業部門や開発部門の意識改革は容易ではない。一つは、ベテランになればなるほど経験に基づく独自の仕事のやり方を有しており、それに固執する傾向がある。また、かなり厳しい業務目標があるため、特に、中間管理職は強く意識していると推察できる。目標達成に専念していると改革の実施度合いよりも業務目標達成を重視し、保守的になる傾向がある。意識改革の徹底は第一線を中心にしがちであるが、上層部から意識改革を徹底・確認し、上層部から中間管理職の意識改革を主導する。その上で、第一線の意識改革を展開する。第一線だけの徹底になると、実施段階では常に上司の顔色を見て、うわべの実施になることも考えられ、展開に非常に長い時間を要することになりかねない。
私が所属していたIT業界では、同様の営業改革が1990年代後半から始まり、21世紀になってようやく定着したように感じている。世界最優良企業の一つであるトヨタ自動車でのモバイル・カンパニーへの変革がどのように展開されるか、非常に興味がある。日本経済の発展のためにも効果的に推進し、世界の自動車業界を主導すると期待している。
【その他雑感(18)-最近考えたこと:外出自粛期間中に(1) 】 ― 2020/04/13 07:32
もともとの予定では、今週からモルディブ 北上コースに出掛ける予定であったが、当然のことながら中止で、来年の北上コースに延期した。次の予定も立てられない。最低限の買い物は、女房殿の担当なので、こちらが出来る外出は、唯一年寄りの健康維持のため許されているウォーキングのみ。時間はたっぷりあるので、最近考えたいろいろなことをまとめることにした。
【トピックス1】 オジンダイバーの夢:分身型水中ドローン・ロボット
私のダイビングの目標は、85才まで潜ること。それまでは足腰が持つよう鍛えておきたいと思っている。その後は、隠居生活と考えていたが、最近の技術の進歩で足腰が弱ってもダイビングを楽しめるのではないかと期待できそうに思う。既に、水中ドローンは色々工夫されているし、分身型ロボットも限られた範囲で実現している。5Gが展開・定着し、次の6Gの時代に更なる技術進歩で色々な課題も解決されると期待される。
A.考えた仕組みは次のようなもの。
分身型水中ドローン・ロボット(以下、分身型ロボット): 送受信機能、レンズ機能、収音機能を持った分身型ロボットで、いわゆる人間型ロボットでも魚型ロボットでも水中を走行できれば良い。レンズと収音機能で得られた動画、静止画は5G技術を利用し、ダイビンク・ボート上の中継器を通してオーナーが待つリゾート・ホテルあるいはクルーズ・ボートにドローン機能で送信され、オーナーからのコントロール情報で、移動や映像の向きあるいはズーム・ワイドの操作が行なわれる。分身型ロボットは常に位置情報を確認し、自分自身のポジションを安定させる。オーナーは、例えばゴーグル型ディスプレーを通して、リラックスしたソファーで、コーヒーを飲みながらでも、あたかも自分で潜っているような体感を得ることが出来る。メイン・コントローラに、アダプターを付ければ、複数人数での体感も可能になる。
メイン・コントローラ、サブ・コントローラ: 分身ロボットの走行は,オーナーが、ロボットから送られた映像をリアルタイムで確認し、空中ドローンと同様に、コントローラーで指示する。さらに、非常用のサブ・コントローラをガイドまたはバディが保持し、メイン・コントローラからシグナルが途絶えた時には、自動的に設定した距離(例えば5m横)を保つよう切り替わる。従って、ケーブの中や悪天候等による電波障害時には、自動的にサブ・コントローラの制御下での移動になり、映像情報はビデオ映像として確保される。また、分身型ロボットは、サブ・コントローラより設定距離より前には出ないよう、サブ・コントローラより深くには行けないよう制御され、チーム・ダイビングやバディ・ダイビングの原則を逸脱するようなオーナーの指示は受け付けないことになる。
分身型ロボットの活動範囲: これまでのダイビングの経験から、ホテルやクルーズ・ボートのメイン・コントローラから中継器までの距離は最高10 Km程度離れる可能性があるので、許容限界は 15 Kmと考える。中継器から分身型ロボットまでの距離は、ドリフト・ダイビングを考えると 1.0~1.5 Km必要と考える。技術的には良く解らないが、この範囲であれば、Local 5Gの利用で実現できるのではないかと期待する。
B.分身型ロボットの利点
1) このような機能が実現すると、体力のないシニアには大変有難い。先ず、タンクを背負ってのダイビングではないので、エアー切れの心配は要らない。バッテリーの容量を90分程度にすれば十分と思う。分身型ロボットのパワーはかなり強いものになると期待出来るので、シニア・ダイバーには危険と思われるような流れが強いポイントや深い場所等でも潜ることが期待できる。当然、オーナーはダイビングのCカードを持つ必要はないので、誰でも体感できることになる。当然、重い器材を持っていく必要もなくなる。分身型ロボットの重量をどの程度軽くできるか分からないが、軽い材料を使用すればそれほど重くはならないと期待する。
2) 分身型ロボツトの映像は、シニアの眼とは比べ物にならないような精度・明るさが期待出来る。これまでのダイビングよりもはるかに綺麗に見ることが可能で、ズームもワイドもコントローラーで簡単に出来るはずである。写真を撮る時もボタンを押すだけで見たままを撮れる。また、暗い場所でのライトの点滅も自動的およびメイン・コントローラでセットできる。
3) 分新型ロボットは空気を吸うことは無いので、空気を吐き出す時の雑音はしない。呼吸方法の上手い人と比べても、よりはっきりと水中の音を聞くことが出来るはずである。イルカの鳴き声や大きな群れが動く音も楽しめる。水中の楽しみが1つ増えることになる。
4) サブ・コントローラに水中会話の機能を付け加えてバディに持ってもらえば、バディとの会話も可能になる。探す場所を指示したり、魚の名前を確認したり、今まで以上に楽しいバディ・ダイブが出来そうである。
C.分身型ロボットの課題:
1) 水中での5G機能の限界は良く解らない。空気中と違って、水中での通信はノイズが強い可能性がありそう。水中での5Gのテストを実施し、技術的な改良をするような動機を有する企業・個人がいるかどうか?
【出掛けたダイビング・ポイント(46): パプア・ニューギニア(PNG) アロタウ– Tawali Resort】 ― 2020/02/17 20:46
2月上旬にパプアニューギニア(以後PNG)の東端に位置するアロタウのTawali Resortに行ってきた。
PNGにはニューギニア航空の直行便を利用することになるが、毎回順調とは言い難い。今回は、コロナ・ウィルスの影響でかなり混乱した。便は土曜日夜の出発だったが、先ず水曜日に急遽事前のビザ取得が必要で、木曜日10時にPNG大使館で申請(金曜日14時に受領)と指示され、大使館へ。次に土曜日の直行便がキャンセルとなったため(乗客が少なくなったためと推測)、金曜日夜の振替便(ケアンズ経由のカンタス航空便)に乗って欲しいとの連絡。金曜日に大使館でビザ受領後成田へ直行。ビザ取得が無理だった乗客が多かったようで便はがらがら(中国人乗客にはビザを発行しなかったのでは)で、無事PNGに到着。
宿泊・ダイビング客は、オーストラリアからのカップル、スイスからのカップルと日本人4名(3名はフィリピン航空振替便の横浜地区からの女性3人組)の計8人、ガイドが3名なのでゆったりしたダイビングになった。我々はいつも通りぴーちゃんこと野崎さんのガイドで色々珍しいものを見せて貰った。
珍しいもの1: ヘアリーゴーストパイプフィッシュ(Hairy Ghost Pipefish)
毛むくじゃらのGhost Pipefish(ニシキフウライウオ)、ここでしか見たことがない。オーストラリアからPNGソロモン諸島に生息するらしい。2年前に初めて見た時は、穴の中に隠れていた1匹だけで写真を撮るのも苦労したが、今回はやや大きめの赤色と小さめの紫色の個体をあちこちで見ることが出来た。
じっくり見ると、なかなか見事で綺麗なヘアーだ。
珍しいもの2: マツゲメリベウミウシ(Melibe engeli)
Melibe系のウミウシは、変なものが多いが、これは初めて見た。どうみてもモヤモヤのゴミにしか見えない。ガイドに指さされてようやくわかったが、写真をとってもウミウシには見えない。
Melibe系は泳ぎが得意で、このウミウシも身体全体を折りたたむようにして泳ぐ。全体が伸びた時に写真を撮りたいが、動きが速く簡単にはいかず、ビデオからスナップショットを作ってようやく全体が把握できた。

珍しいもの3: クロスジウロコウミウシ-Tiger Butterfly (Cyerce nigra)
2年前にも見たことが、今回はじっくりと写真やビデオを撮ることが出来た。フィリピンからPNGの西太平洋に分布しているらしい。葉っぱのようなものの表と裏の模様が違っており、閉じたり開いたりしながら動くのでなかなか綺麗に見える。
その他:
ぴーちゃんも他のガイドもマクロ系が得意。先ずはウミウシ、初めてのもの、見栄えのいいものを紹介。
この2つは初めてのもの。カメノコフシエラガイ系とナギサノツユ系。
海草みたいなもの、きれいなもの、5mmほどの小さいもの。
よく見るが構図が面白いもの。
このエビはアートっぽい。
その他にピグミー・シーホースもよく見かける。
ワイド系では、モブラの群れで良くみかける。この群れは20枚以上。マクロ系を探していると急に知らされて慌てて取りに行って何とか撮ったもの。この写真の下にも何枚かいた。
バラクーダも、大きな群れには遭遇しないが、ブラック・フィン、イェロー・フィンを時々見かける。
リゾートは、アロタウの空港・市内から車で1時間、ボートで20分の隔離された場所にあり、ボート乗り場から5分程上った丘の上の林の中にコテージが10棟でゆったりとして静か。鳥の声が良く聞こえる。のんびりした日が過ごせた。
新型コロナ・ウィルスはいつ落ち着くのか? しばらく前は2月いっぱいと言う識者が多かったが、最近の報道ぶりはややエスカレート気味に思える。早く落ち着いて次の計画を進めたい。
【出掛けたダイビング・ポイント(45) - モルディブ プチ南下コース Princess Haseena】 ― 2019/12/21 22:22
12月初旬にカオリータ率いるボートPrincess Haseenaによるプチ南下コースに参加した。通常コースや赤道越えコースではあまり潜ることのない地域を訪れるコースになる。数回潜ったポイントもあったが、多くは初めてあるいは2回目のポイントになる。大物はそれほど見ることは出来なかったが、魚群の濃いポイント、サンゴが綺麗なポイントを多く潜ることが出来た。
初日は、チェック・ダイブ後にヴァーブ環礁へ移動、代表的なポイントのフォッテヨへ。ソフトコーラルで有名なポイント。カメラが上手くないのが残念。
2日目は、ヴァーブ環礁、ミーム環礁、タァー環礁と一気に南下。途中、ミーム環礁のポイントHakura Thilaのサンゴがなかなか綺麗だった。一度白化でダメージを受けたのが、見事に復活したとのこと。
3日目に今回最南のラーム環礁の北東端のポイントIsdhooへ。3月に来た時に凄く長いギンガメアジの群れを見た所なので期待大。しかし、1本目はから振り。場所が変わっていたようで、確認して2本目に挑戦。流れが緩やかで動きがバラバラながらかなりの数をウォッチ。
後半の帰りルートは、新しいポイント、良かったポイントを探って北上。見栄えのある色々な魚の群れを見ながらの3日間。先ずは、モルディブで多く見られるヨスジフエダイの群れ。このポイントでは、5m強の大きな根の約半分がヨスジフエダイの群れ。写真もビデオも撮り放題だった。
表層にクマザサハナムロの群れ。いつもは走り回っているのに、のんびり漂っている(多分食事中?)。その周りにロウニンアジ等の大型魚がウロウロ。その後、クマザサハナムロが天の川状態に。が、見ている間でのアタックは無かった。
群れは色々重なることも多い。ハナダイとスカシンジクダイのコラボ。私の好きなヒメフエダイとコラーレ・バタフライフィッシュが上下に。6種類ほどが群れ群れに。
その他、ムレハタダイやムスジコショウダイの群れもあちこちで見られる
。
良く探せば、モルディブでもマクロも見つけることは可能と思うが、ほぼ無視される。
今回のトピックス:
ハナダイにも色々な種類であることを教えて貰った。青い海に群がる赤いハナダイは絵になるので、いつも楽しいのだが、環礁によって少しずつ種類が異なるとのこと。群れとして見ているので、個体識別は意識したことが無かった。場所によって多数派のハナダイの種類が違うらしい。来年は北上コースに参加する予定なので、ハナダイ観察を楽しみたい。
今回の参加者は12人で、4人x3チームのダイビング。我々のチームは男性2人、ご夫婦1組でお互い好き勝手にじっくりと楽しむことが出来た。アフター・ダイブもやや大人しく、いつもは後部デッキで酒盛りが始まることが良くあるが、今回は正に三々五々。7人のゲスト+3人のガイドの女性群が話題を進め、5人の男性群はぐっと静か。これもなかなか楽しく、全体に良いツアーだった。
【出掛けたダイビング・ポイント(44) - インドネシア レンベ NAD Lembeh Resort】 ― 2019/09/19 08:18
8/28-9/4にインドネシア レンベで楽しんできた。このところ毎年訪れており、今回で8回目とお世話になっている。水温27℃台で、5mmウェット+3mmベストで何とかOK。この時期が一番寒い。場所によっては25~6℃になると言われたが、幸い27℃以下はなし。
ここでは、Muck Diveと称する泥砂でのマクロが中心。
ウミウシ
これはレアモノらしい。ガイドがやっと見つけたと大興奮のウミウシ(Miamira aleni アレンウミウシ)。
好みのメリベウミウシにEmperor Shrimpがしがみついていた。
・エビ・カニ等々
カクレエビ系は上手く撮れると嬉しい
。エビ系の英名は勇ましいものが多い。上述のEmperor Shrimpもそうだが、こちらはTiger Shrimp。
どちらも数cmの小さなエビなのに。
ガザミは横にいるとハサミで攻撃してくることがあるが、前から寄るとハサミを上げるだけで何もしない。
もうすぐ生まれそうなハナイカの卵をVideo Modeでじっと待っていたが、ハッチアウトの瞬間、驚いてちょっと動いたら、電源がOff。悲しいかなVideoは保存されていなかった。生まれた直後のハナイカ。
ずっと撮りたかったVideoなのに残念。
魚でもこういうのはみんな寄ってくる。 アカククリの幼魚、
ラノピアス、
このヘアリーフロッグフィッシュは毛むくじゃら、前が見えないのでは。
その他、チューリップ畑みたいなきれいなイソギンチャク系。上を通ると同時に全部隠れる。
こちらはワイン・ボトルみたいなホヤ系。
ブラック・ウォーター ダイブ
2回目のブラックウォータ・ダイブに挑戦。ナイト・ダイブだが、中層に漂う浮遊系生物をライトを当てて集めて、クラゲやプランクトンに加えてエビ・カニ、タコ、魚類の幼生が浮遊するものを観察するもの。
写真を撮るのは極めて難しい、浮遊生物は漂っているので動きはまったく読めない。ファインダーを見ながら追うことになるので、焦点をあてる余裕がない。Focus Lockで撮れと指導されたが簡単ではない。追っかけていると浮いたり沈んだり、他のダイバーとぶつかったりと大変。1時間程度で撮れたのは一握り。
これは、ワンダーパス(タコ)の幼生らしい。
モンハナシャコの幼生
こちらが大人。
NAD Lembeh Resortでは人気で、ほぼ毎晩挑戦可能で、最近は参加者も多いとのこと。図鑑もまだないので、何の幼生か解らないことが悩みらしい。
NAD Lembeh Resortでは色々の国からのDiverが訪れる。今回一緒になったDiverは、韓国若手女性2人,イタリアからのカップル、シドニー在住の日本女性、オーストラリアからのカップル、ジャカルタに家族が住んでいるというオランダ男性、イングランド男性と日本女性のサンフランシスコ在住のカップル、サンフランシスコ在住のインド男性と国際的。みんな社交的で下手な英語にも付き合ってくれる。韓国の若手女性とも普通に年寄りと娘の会話。が、時々微妙な会話もある。今回は福島の汚染水の処理に対する懸念が話題に。ラグビーのW杯やオリンピック2020を契機に日本の現状もよく知っている。タンク満杯の汚染水を海に流すことを心配する人も何人かいた。突っ込んだ議論にはならないが、捕鯨も含めてちゃんと勉強しておく必要がある。
今回の最大のトピックスは、アリゾナからの中年女性。両足が義足のDiver。別の船をチャーターしていたので、一緒に潜ることはなかったが、我々と同じようなポイントで潜っていた。普通のフィンでGoProを使用していたので、ほぼ同じように潜っているようだった。食事は一緒なので、時々話をしたが、元気旺盛。聞くと、ダイビングを始めてから2年後に義足生活になったが、ダイビングの継続を決意。義足者のための研修やHow-toものも無いため、試行錯誤でやや苦労したが、いまは大いに楽しんでいるとのことだった。Lembehには2週間以上の滞在予定で、その後は別の島に行くとのこと。裕福であることが必要とは思うが、そのヴァイタリティには感服である。
ガイドのチーフと相談し、来年は10月下旬/11月上旬で計画する。水温が29℃前後で、低水温で見れる生物がまだ残るとのこと。
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