【その他(2) 東日本地震について思うこと (2) - 原発災害に関連して 】2011/04/03 07:36

 原発の災害は深刻な問題であり、復旧にかなりの時間を覚悟した方が良さそうである。放射能という見えない危険への対応であり、どうしても不安が先行する。今回、モルディブからの帰国はスリランカ航空を利用したが、本来コロンボから成田への直行便のスケジュールが二転三転した。バンコク経由から香港経由になり、乗る直前にバンコク経由となった。理由は、正規の乗務員が放射能を危惧して日本への着陸を拒否し、代替の乗務員を手配の結果、バンコクで乗務員交代となったらしい。交代要員は勇気があったのか、手当ての増額だったか検討もつかないが、5時間遅れではあったが何とか帰国できた。正確な実態が解らないために生ずる不安は避けられない。日本で連日新聞・テレビから情報を見ていても実態が解り難い状況であり、海外からは不安要素の方が強いのは止むを得ないように思える。既に検討されていると思うが、輸出割合の高い日本の経済復興にとって、官民共同でタスク・チームを構築し、輸出品の放射能レベルの検査体制や海外に向けての正しい実態の情報発信の仕組みの構築が不可欠に思える。

 また、今回の原発問題の解決のための技術要員の献身的な頑張りは凄いものだ。無理に無理を重ねた活動と思うが、無茶だけはしないよう気を付けて欲しい。誰も予想していなかった大地震・津波であったため、想定外の事故であったとは思うが、報道を通しての聞く限りでは、最悪のケースのシナリオは構築されていなかったのではと思われる。欧米では、想定外の最悪のケースのシナリオも構築することが多いと聞いているが、日本では、特に原発等のケースでは、マスコミや地元住民の不安を刺激しないようにするためなのか、最悪のシナリオは構築していないように思える。日本としては、原発に頼ることは避けられないと思われる。今後の検討の中では、単に東京電力等の課題ではなく、政府・企業・地元が協同で最悪のシナリオを構築・共有することが必須と思われる。マスコミも批判だけではなく、政府・企業・地元と協力して情報発信の役割を果たすべきと思う。

 その観点から見れば、今回の原発災害の責任を全て東電に負わせるべきでは無い。全く想定していなかった規模の地震・津波であり、最悪のシナリオの構築を指示できていなかった経済産業省も同罪のはずである。復興後の検証で、想定した範囲での東電側の対応で不適切であったものは何かを明確にすべきである。想定を超えたものに関しては、両者同罪とすべきである。また、問題発生後の対策の検討・実施や実施体制では多くの課題が生じている。新聞・テレビの報道では、対策の実施責任は東電であり、東電の対応が問題との指摘が多いが、今回のような広域で深刻な対策では官民共同でのプロジェクト体制が必須であり、現状報告や会見はプロジェクト・チームから行われるべきである。原子力安全・保安院の監査的な印象となる会見には違和感を感ずる。首相の会見でも東電が負担できない場合は国が負担するとの発言であったが、むしろ国が賠償責任のリーダーシップを取るべきと思う。

 


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